関税で厳しい姿勢=重要鉱物で協力も―駐日米大使候補

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2025年03月15日 08:01  時事通信社

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時事通信社

 【ワシントン時事】トランプ米政権の次期駐日大使候補、ジョージ・グラス氏は13日開かれた議会の承認公聴会で、関税や対日貿易赤字削減に関し、日本に厳しい姿勢を示した。米政権は4月に関税や非関税障壁が高い貿易相手国に相応の関税を課す「相互関税」を導入する方針。トランプ大統領は、日本の自動車貿易や為替政策などに不満を漏らしており、警戒が強まっている。

 一方でグラス氏は、重要鉱物の確保に関し、日本との協力に前向きな姿勢を示した。「米国は軍事目的での備蓄はあるが、民間産業向けにはない」と説明。同盟国と共有する備蓄の創設案に言及した。

 グラス氏は第1次トランプ政権時に駐ポルトガル大使を務めた。大豆市場の非関税障壁を巡って欧州連合(EU)当局と協議した経験に触れ、「ほとんどの場合は決断が必要なだけだ。巨大な官僚機構との協議では、少しの忍耐が必要だ」と、粘り強く取り組む重要性を強調した。

 トランプ氏はこれまで「米国の自動車を受け入れない」と日本の自動車貿易に対する批判を繰り返し、日本側の輸出に有利になる円安への不満も口にしている。ナバロ大統領上級顧問は、コメへの高関税をやり玉に挙げている。

 トランプ政権では、鉄鋼やアルミニウムへの追加関税など、産業保護策が目立つ。ただ、米通商代表部(USTR)のグリア代表は2月に「米農業生産者は世界で最も競争力がある。それに見合うマーケットアクセスが必要だ」と強調。貿易相手国に農産物市場開放を求める考えも示している。

 日本は、米国よりも平均関税率が低く「相互性が損なわれていることはない」(政府関係者)として、相互関税の対象にすべきではないと主張する。しかし、日本の非関税障壁や農産物市場が標的となるリスクは小さくない。 

このニュースに関するつぶやき

  • 安倍さんは、前期のトランプ大統領に丁寧な説明をして自動車関税を回避した。今回はやれそうな政治家がいないねぇ。
    • イイネ!8
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