昨年10月のフィンランド戦を最後に、グリーリッシュはイングランド代表のピッチに立てていない [写真]=Getty Images イングランド代表を率いるトーマス・トゥヘル監督が、FWジャック・グリーリッシュ(マンチェスター・シティ)を招集しなかった理由に言及した。『スカイスポーツ』や『ミラー』など複数のイギリスメディアが、会見における同監督のコメントを伝えている。
イングランドサッカー協会(FA)は14日、今月に行われるFIFAワールドカップ26欧州予選に臨むイングランド代表のメンバー26名を発表。ウインガーの選手としてはFWジャロッド・ボーウェン(ウェストハム)、FWフィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)、FWアンソニー・ゴードン(ニューカッスル)らが名を連ね、FWマーカス・ラッシュフォード(アストン・ヴィラ)は昨年3月以来の復帰を果たした。
一方で、26名のリストにグリーリッシュの名前はなかった。今季のグリーリッシュは所属するマンチェスター・シティで公式戦26試合出場2ゴール5アシストを記録しているが、ベンチを温める試合も少なくはなく、個人として苦しい時期を過ごしている。クラブでのプレータイム減少は代表活動にも影響を与えており、昨年10月には“スリーライオンズ”の一員としてUEFAネーションズリーグを戦ったものの、11月シリーズに続き、トゥヘル新監督の初陣となる今回もイングランド代表からは落選した。
そんなグリーリッシュについて、トゥヘル監督は「私はジャックが大好きだよ」と発言。メンバー発表前に直接コミュニケーションをとったことを明かしつつも、次のように言葉を続け、イングランド代表からの落選は現在のパフォーマンスによるものだと主張した。
「彼のパーソナリティ、クオリティー、勇敢さ、そして情熱、そのどれもが私の好みだ。彼は『サンティアゴ・ベルナベウ』で盛大なブーイングを浴びせられようと、決して動じることはない。では、彼は我々のチームにインパクトを与えることのできる選手なのか?この問いに対する答えは、100%で『イエス』だ」
「ただし、最近の彼は“らしさ”、リズムを失っている。彼自身もそう感じているんだ。ベンチから出場して影響を与えても、次の試合ではまたベンチから出番を待ち、たまに先発をするという状態が続いている。私は、ジャックは出場時間を重ねるごとに良くなっていくタイプの選手だと思う」
続けて、トゥヘル監督は「もちろん、彼はチームのまとめ役となれるようなキャラクターを持っている選手で、若い選手たちは彼に対していとも簡単に愛着を抱く」とも語り、グリーリッシュも性格面も称賛している。
また、グリーリッシュに関しては、今月7日に『BBC』など複数のイギリスメディアによって、友人とナイトクラブにて夜遊びをする様子が報じられた。マンチェスター・シティを率いるジョセップ・グアルディオラ監督は「休みは休みだ。彼らが私生活で何をするかを私がコントロールするつもりはない」と、気に留めるつもりはないことを明かしていたものの、トゥヘル監督も同意見のようだ。この報道がメンバー選考に影響を与えたことについては真っ向から否定している。
「もちろん、彼が新聞に載ったり、公衆の面前に出たりするのは理想的なことではない。ただし、報道のすべてに目を通したわけではないが、それは彼だけの責任ではないのかもしれない」
「誰もがポケットに携帯電話を持っている時代で、有名人が目の前にいることを考えると、これらの出来事は起こり得る。先ほども言ったように、理想的ではないし、彼にはもっと落ち着いていてほしいと思う部分はあるよ。ただし、それが彼をイングランド代表に選ばない理由ではない」
このような背景から、3月シリーズではイングランド代表から落選することとなったグリーリッシュ。マンチェスター・シティでプレータイムを取り戻し、かつてのようなパフォーマンスを見せつけた時には、再び“スリーライオンズ”のエンブレムを胸に戦うこととなるかもしれない。
【画像】トゥヘル体制初陣のイングランド代表メンバー26名
It’s time to reveal Thomas Tuchel’s first #ThreeLions squad! 👀🏴— England (@England) March 14, 2025