「病死」した米名優、妻や犬1匹と共に遺体で発見。残された愛犬が居場所を知らせる

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2025年03月17日 09:00  女子SPA!

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ジーン・ハックマンと妻のベッツィー・アラカワ
 米映画界を代表する名優として知られたジーン・ハックマンさん(95)が、妻や愛犬と共に自宅で死亡しているのが発見された。地元当局は、夫妻と犬1匹の死を巡る状況が「普通ではない」として捜査をすすめてきたが、2人の死因は「病死」だったと発表した。

 ここにきて、2人と1匹の最期の様子、さらに生き残った愛犬2匹が必死で飼い主の居場所を知らせていたことなど、当時の状況が徐々に明らかになってきている。

◆妻が亡くなったことを知らないまま、1週間後に死亡か

 2月26日、米南西部ニューメキシコ州の自宅で、妻のベッツィー・アラカワさん、そして愛犬1匹と共に遺体で発見されたハックマンさん。地元当局は今月7日(現地時間)、検視結果を発表し、高血圧と動脈硬化性心疾患、アルツハイマー病が要因となり、2月18日頃に死亡したと結論づけたことを明らかにした。

 ともに遺体がみつかった妻のアラカワさんは、2月11日ごろに「ハンタウイルス肺症候群(HPS)」で死亡したとの見方を示した。ハンタウイルスは、ネズミなどのげっ歯類が媒介して引き起こされる呼吸器疾患で、米国での感染例は少ないものの、致死率が高い疾患だという。

 2人は先月26日、自宅の別々の部屋で死亡しているのが発見された。当局は、2月11日にメールしたのを最後に活動が確認されていないことから、アラカワさんが先に亡くなったと推測。ハックマンさんは、心臓のペースメーカーの記録が2月17日まで残っていることから、アラカワさんの死去1週間後に亡くなったとの見方を示している。

 亡くなる直前、何かを食べた形跡はなかったものの、脱水症状の様子は見られなかったというハックマンさん。しかしアルツハイマー病が進行しており、妻の死を認識できていなかった可能性が高いという。

◆ケージの中で息絶えていた愛犬。残された2匹は最後まで忠誠尽くす

 遺体の状態から、「死後かなり時間が経っていた」と見られているハックマンさんとアラカワさん。夫婦が可愛がっていた愛犬のZinnaも、飼い主の遺体のそばで息絶えているのが発見された。

 死因はまだわかっていないが、Zinnaは木のケージの中で発見され、脱水や飢餓状態だったと報じられている。アラカワさんは亡くなる前、Zinnaを獣医に連れて行ったことがわかっており、Zinnaは帰宅後もケージに入れられたままの状態になっていたとみられている。

 他の飼い犬2匹、BearとNikitaは無事で、家の敷地内をうろついていたという。米紙『ニューヨーク・ポスト』は、通報を受けた救急隊が現場に到着した後も、ハックマンさんをなかなか見つけることができなかったと報道。けれども、一匹の犬が「こっちに来て!」といわんばかりに吠え続けたことで、最終的にハックマンさんを発見することができたと伝えている。

 現在、保護施設で元気に過ごしているというBearとNikita。イギリスのタブロイド紙『The Sun』によると、遺体発見当時は、飼い主の亡骸に寄り添い、なかなか離れようとしなかったという。

◆多くの映画賞に輝き、私生活では3人の子どもの父親

 ハックマンさんは米西部カリフォルニア州生まれ。16歳のときに海兵隊に入隊し、しばらく勤務した後、俳優の道へ。

 1990年代から2000年代にかけて数々の話題作に出演し、1971年公開の映画『フレンチ・コネクション』ではアカデミー賞の主演男優賞を受賞。1978年には『スーパーマン』でレックス・ルーサー役を熱演し、その悪役ぶりでスーパーマンシリーズの歴史に名を残すことに。1992年にはクリント・イーストウッド監督による名作『許されざる者』に出演し、助演男優賞を受賞した。

 そのほか、米ゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞、全米映画俳優組合(SAG)賞やベルリン国際映画祭の銀熊賞など栄えある映画賞に何度も輝いたハックマンさん。

 プライベートでは、元妻フェイ・マルティーズさんとの間にすでに成人した3人の子どもがいる。娘のエリザベスさんとレスリーさんは、訃報に接し、次のような声明を発表した。

「私たちの父、ジーン・ハックマンと妻のベッツィーが亡くなったことを、大きな悲しみとともにお知らせします。彼は、その輝かしい俳優としてのキャリアにより、世界中の何百万人もの人々から愛され、賞賛されていましたが、私たちにとってはいつもただのパパであり、おじいちゃんでした。私たちは彼がいなくなることを寂しく思い、悲しみに打ちひしがれています」

◆アラカワさんの支えがなければ「とっくの昔に死んでいた」

 ハックマンさんを長年支えてきたとされる妻のアラカワさんは、ハワイ出身の日系アメリカ人。ピアニストとして活動すると同時に「Pandoras」というインテリアショップの経営にもかかわっていた。2人が出会ったのは、アラカワさんが当時パート従業員として働いていたカリフォルニア州にあるスポーツジムだったという。

 心臓病を患っていたハックマンさんは、医師から忠告を受け、2004年の作品『ムースポート』への出演を最後に俳優業を引退。その後は、ニューメキシコ州にある自宅で、妻や愛犬とともに静かに暮らしていたといわれている。

 彼の20年来の友人であるトム・アリンさんは、米紙『ニューヨーク・タイムズ』に対し、「彼は奥さんに面倒を見てもらえて幸せそうだった」とコメント。「彼女はゴルフや友人との会合、食生活まで、夫を手厚くサポートしてあげていた」と明かした。

 アリンさんによると、ハックマンさんは生前、「彼女がいなければ、とっくの昔に死んでいたよ」と話していたという。

<文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>

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