『ドラゴン桜 第2シリーズ』、主演映画『この子は邪悪』、大河ドラマ『光る君へ』などの話題作に立て続けに出演し、注目を集める俳優・南沙良。吉川英治文学新人賞作家・武田綾乃のベストセラー小説『愛されなくても別に』の実写映画でも主演を務めることが発表されるなど、22歳ながら確かな演技力と存在感で着実にキャリアを積み重ねている。そんな南の芸能活動10周年を記念して制作された写真集「南沙良ファースト写真集『不安定な安息』」(PARCO出版)が、3月18日に発売された。
写真家・石田真澄によって撮り下ろされた本作では、さまざまな衣装やヘアアレンジを通じて、南の多彩な魅力が映し出されている。写真集の後半には、プライベート感あふれる台湾旅行の様子が収録されており、リラックスした自然な姿も楽しめる。さらに、南が手書きで綴った日記や、日々の些細な幸せ、陰鬱な夜、迫る不安など彼女の中で蠢く内面を瑞々しい筆致で表現したエッセイも収録。俳優として活躍する彼女の知られざる内面に触れられる一冊となっている。
今回は、3月4日から3月9日まで、GALLERY X BY PARCO(渋谷PARCO B1F)にて開催された刊行記念写真展を舞台に、インタビューを実施。エッセイで綴ったことで気づいた自分自身の変化、今後の展望について語ってくれた。
◾️活動10周年、石田真澄によって撮影された“飾らない姿”
ーー本書は台湾でも撮影されたとのことですね。
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南沙良(以下、南):台湾には以前から行ってみたいと思っていて。念願叶って今回訪れることができたのですが、実際に訪れても本当に楽しかったです(笑)。ご飯がどれも美味しくて、特に台湾デザートが美味しかったですね。日本にはないような、マンゴーの「もにゅもにゅ」とした変わった食感のものがあって、印象的でした。
ーーさまざまな表情が収められた写真集ですが、台湾で撮影された、メガネ姿でラフな装いの南さんが街を歩く写真が特に印象的です。
南:このページの写真は、本当に寝起きのまま朝ごはんに行ったときに撮影された写真です(笑)。台湾は本当に楽しくて、ただただ私がはしゃぎながらご飯やスイーツを食べたり飲んだりしていました。そんな私がただ楽しんでいる様子を石田さんに撮っていただいたので、自然な私の様子が見られると思います。
ーーご自身の自然な素の姿と、世間の方々が南さんについて持っている印象にギャップを感じることはありますか?
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南:世間のイメージではクールに見られることが多くて、それと……なんか「怖そう」「暗そう」って言われることも多いです(笑)。
ーー役柄のイメージもあるかもしれませんね。
南:でも、実際は明るい方だし、全然そんなことないとは自分では思っています。この写真集には「ちゃんと明るいぞ!」と思ってもらえるようなページも入っているので(笑)、そういう面も知ってもらえたらいいですね。
◾️エッセイを書くことで気づいた自分自身の変化
ーーこの写真集は、『カロリーメイト』『ポカリスエット』など、数々の広告を撮影されてきた写真家・石田真澄さんがカメラマンとして撮影されていますね。以前からお知り合いだったのでしょうか?
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南:もともと、『yom yom』という文芸誌で連載していたときに石田さんに写真を撮っていただいていて。その後、私が出演したドラマ『わかっていても』(正式タイトル:『わかっていても The Shapes of Love』)のビジュアル撮影を石田さんが担当されていたこともあり、今回のご縁にも繋がりました。
石田さんの写真は、写真で撮られた場所や人の空気感や匂いまで感じられるような魅力があって、いつも素敵だなと思っていました。今回、私を撮っていただいた写真を見ても「あ、私ってこんなふうに笑っていたんだ」とか「こんなに楽しんでいたんだ」と、新たな発見がたくさんありました。
ーー写真集には南さんのエッセイも掲載されています。エッセイで心情を綴ることで、新たに気づいたことはありましたか?
南:久しぶりに今回の写真集でエッセイを書いたんですが「自分って今こういうことを思っているんだ」と気づくこともあって、改めて自分自身について発見することがありました。
ーーそれは具体的にどんな発見でしたか?
南:前より明るくなった気がします(笑)。以前書いていたエッセイはどこか暗い……というか、マイナスなことを書くことが多かったと思うんです。今回、写真集のために久しぶりにエッセイを書いていると、前より自分が明るくなっていることに気づいたんです。
実際に、前までは人と関わるのがあまり得意じゃなかったというか、それこそ学生時代は、友達が本当いなかったんですよ。自分の言葉を伝えることも苦手で、自分から友達を作ろうとせず、すごく閉じこもっていました。だから人と関わることも少なくて、ほとんど家族と過ごしていました。
ーー今お話ししていても、よく笑っていて明るい印象があるので意外ですね。
南:本当に、ここ数年で変わったんです。自分でもふとした瞬間に「私、明るくなったな」と感じます。でも具体的に大きなきっかけのようなものがあったわけじゃないんですよね。考えてみると確かに何があったんだろう? なんとなく「人と関わらなきゃ」と思うようになって、そこから自然に明るくなったんだと思います(笑)。
◾️「新しいことに取り組むのがすごく好き」
ーー今回の写真集は南さんが活動を始められて10周年を記念したものですが、この10年で映画やドラマなど作品のターゲットが日本のみならず世界へと広がり、大きな変化があった10年だったのかなと思いました。
南:確かに。海外で見られるようになったことは、やっぱり意識はしますね。
ーー南さんの出演作品も、Netflixシリーズ『君に届け』や『わかっていても The Shapes of Love』などが世界で配信されていますが、俳優としての意識に変化はありましたか?
南:そうですね……。それで言うと、あの最近、英語勉強してます(笑)。本当に昔から勉強が苦手で……学生の時からどうしてもできなかったんです。
でも「ちょっとやらなきゃまずいな」と思うようになってきて、ここ四、五ヶ月ぐらい前から勉強を始めました。これも、そう思わせられた何かこれといった大きなきっかけのようなものがあったわけじゃないんですけど、「何かにつながればいいな」「できていて損はないしな」という気持ちで取り組んでいます。
ーーそれは南さんにとっても、大きな挑戦だったんですね。
南:そうですね。挑戦すること自体は昔から好きなんです。何事においても私は新しいことに取り組むのがすごく好きなんですけど、勉強だけは別で(笑)。だから今回は、自分の中では「頑張った挑戦」ですね。
ーー活動10年を迎えられて、多くの話題作に出演されてきましたが、改めて今後の展望があれば教えてください。
南:これまでにやったことのない役柄や作品には挑戦していきたいなと思っていて。さっきもお話ししたんですけど、新しいことに挑戦することが私はとにかく好きなんですよ。だからこれからもやったことないこと…例えばまだ挑戦したことのないアクションやコメディとか、とにかく常に新しいことに挑戦していきたいです。
(取材・文=リアルサウンドブック編集部)
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