
主演は“かが屋”のふたり。'22年〜'23年に2シーズンにわたって放送されたドラマ『この動画は再生できません』。フェイクドキュメンタリーホラー&謎解きミステリーという意欲作は制作サイドの予想以上の好評を博し、まさかの映画化。
昨年9月に『この動画は再生できません THE MOVIE』が公開されるとミニシアターランキングで1位、映画レビューサービス『フィルマークス』での初日満足度2位と高評価。勢いそのままに、配信サービスでのレンタルが始まり、3月5日にはDVDがリリースされた。
かが屋の俳優としての野望
――映画化と聞いたときには?
加賀「“THE MOVIE”になるわけがない作品ですよ(笑)。ドラマのときですら、シーズン2の制作に“えー! どういうことですか!?”という驚きだったんですよね」
賀屋「めちゃくちゃ僕もびっくりしました。多くの人に見ていただけて本当にうれしいです!」
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――天才的映像編集マンの江尻(加賀)とオカルトライター鬼頭(賀屋)が対峙するのは謎のDVD、世直し系ユーチューバーの生配信、街歩き番組。無関係にしか思えない映像たちに隠された真実、鮮やかすぎる伏線回収に拍手喝采!
加賀「特殊な雰囲気の物語で、いろんなキャラクターが出てきて。体験したことのない脳の活性を感じるというか、まるで自分が謎を突き止めたかのような錯覚を得る没入型の体験は、ちょっとほかではないんじゃないかなと思います」
賀屋「物語にいくつかのブロックがあって。妙なリアルさがかみ合いながら、最後の展開につながっていきます」
――俳優として役作りなども?
加賀「ドラマを改めて見直すと、演じた江尻は“コイツ、あんまり賢そうじゃないな”ってすごく思ったんですね。実際はものすごいクレバーなので、その感じが出せるように髪を伸ばして、知性を演出してみました」
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賀屋「僕が演じた鬼頭の場合、詳しくは言えないんですけど、生命体としては微妙で絶妙なキャラなので。だから体形維持(笑)」
加賀「実際、ドラマのときと映画では体重増えてるの?」
賀屋「撮影中は大丈夫だったけど、映画のクランクアップ後はすっごい増えた(笑)。たぶん、日本映画史上いちばん怖くない非生命体かもしれない」
加賀「そんなことはない。絶対もっといるよ! 三谷幸喜さんの『ステキな金縛り』('11年)とか」
賀屋「あははは(笑い)。それぐらい明るい非生命体なので、ぜひ見てください!」
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古旅館で2人憑いてきたことも
――ちなみに霊感ってある?
加賀「僕はたぶん、あります。なんか“やだな”と感じたら近づかない。さっきも“ここじゃないほうがいい”って取材部屋を変えたじゃないですか?」
――た、確かに!
賀屋「出るんか、ここ?」
加賀「いや、さっきは単純にちょっとカビっぽい感じがしたからで(笑)。でも“ちょっと嫌だな、やめておきましょう”と言った後にそこに霊がいる、みたいなことは過去に何度かありました」
賀屋「劇場には出るっていうしね。僕はまったく感じないんですけど、憑かれやすいらしくて。古い旅館から帰ってきた後、別のロケで霊媒師さんから“2人連れて帰ってきている”と言われたり。
霊って優しそうというか、弱そうであんまり怒らなそうなヤツにくるらしくて。僕みたいに舐められやすい人は、霊にも舐められる。怒ったり、威圧したほうがいいらしいんですけどね(苦笑)」
――今後、俳優として狙っているものは?
加賀「月9の青春群像劇とか、若手俳優がいっぱい出ている中での夏祭りの出店のおじさんとか(笑)。めっちゃ視聴率の高いドラマで“あれ、今のって芸人の加賀じゃない?”ってふうに思われたいですね。俳優として、とかはマジで別にないんです(笑)」
賀屋「『豊臣兄弟!』! 今年の大河ドラマはもう無理なので、来年。そこに照準を絞って何とか滑り込みたいです! お願いします!!」
加賀「何をお願いしたの、今? お願いされても(笑)」
賀屋「お願いします!!」
――最後に俳優業に限らず、かが屋としての夢を!
加賀「それを言い出したらいっぱいありますよ。子どもを私立に入れるとかですかね〜」
賀屋「もう子どもが生まれてる、みたいな言い方だよ!」
加賀「まだ結婚もしてないんですけど(笑)。賀屋さんはどうですか?」
賀屋「鎌倉に平屋」
加賀「舐めんなよ、おまえ! その難易度」
賀屋「葉山にも平屋」
加賀「将来の夢としては、まずひとつ『この動画は再生できません THE MOVIE 2』ですね!」
『この動画は再生できません THE MOVIE』DVD発売&レンタル中。Amazon Prime Videoほか各動画配信サービスでレンタル中
撮影/吉岡竜紀 取材・文/池谷百合子