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コンクリート詰めにされた女児の遺体が大阪府八尾市の集合住宅から見つかった事件で、大阪府警は19日、女児の身元はDNA型鑑定などで岩本玲奈さんと確認されたと明らかにした。
市が住民票削除「消えた子」に
岩本玲奈さんの居住実態を調べていた八尾市は、飯森憲幸容疑者(41)=死体遺棄容疑で逮捕=の父の説明を基に、玲奈さんの姿を確認できないまま住民票を削除していた。玲奈さんは行政が所在をつかめない「消えた子」になっていた。
玲奈さんは02年ごろ、飯森容疑者の父宅に母と転居。八尾市によると、容疑者の父が「玲奈や玲奈の母と同居している」などと説明したことから家族と暮らしていると判断し、実際に玲奈さんがいるのか確認しなかったという。転居前の出生届に記載されていた住所も職員が訪れたが、建物の表札や郵便物の有無の確認にとどめ、容疑者の父に玲奈さんらの住民票を移すよう求めた。
大保宣広・市民課長は19日、報道陣に「実際に住んでいる場所を調べるものではなかった。手続きに瑕疵(かし)はなかった」と釈明。市の集団健診の記録なども残されておらず、玲奈さんの成育環境などを市が把握できていたかどうかは不明だとした。
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「消えた子」の問題に詳しいジャーナリストの石川結貴さんは「容疑者の父の言うことを市が過信した点はあるだろうが、虐待問題が深刻化する前の自治体にはこうした姿勢はよく見られた」と指摘。「家族内の問題は隠蔽(いんぺい)されやすいという前提で対応する必要がある。同じように人知れず亡くなっている子がいる可能性があり、安否確認は慎重に行ってほしい」と話した。
吉村洋文知事は19日、所在のつかめない子どもがいないか改めて調査するよう市町村に通知する意向を示した。【新宮達、面川美栄】
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