一人一人の命、心に刻む=犠牲者4138人読み上げ―東京空襲

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2025年03月20日 19:01  時事通信社

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時事通信社

追悼集会で、東京空襲犠牲者の名前を読み上げる大学生=20日午前、東京都江東区
 80年前の3月10日未明にあった東京大空襲では約10万人の命が奪われたとされ、都内の市民は終戦までに100回を超える空襲を受けた。遺族らは20日、「東京大空襲・戦災資料センター」(江東区)で、犠牲者の名前を読み上げる追悼集会を開いた。

 集会は、亡くなった一人一人を心に刻むため、遺族らが2021年から毎年企画。今年は、遺族や有志、事前収録の小学生ら約80人が、朝鮮人や米軍兵士を含む都内の空襲犠牲者4138人の名前を約5時間かけて読み上げた。

 母親と弟2人を大空襲で亡くした河合節子実行委員長(86)は、「犠牲者一人一人には名前があり、家族があり、それから先の生きる未来があった」とあいさつ。「読み上げられた名前は、平和への道しるべになる」と語った。

 緊張した面持ちで丁寧に犠牲者名を読み上げた相模原市の大学3年飯田健太さん(21)は初めての参加といい、「この積み重ねが、戦争の惨劇を語り継ぐことにつながる」と話した。

 空襲犠牲者の名前を残し、伝えていく取り組みは他にもある。東京空襲犠牲者遺族会と市民団体は8日、浅草公会堂(台東区)で、犠牲者441人の名前が印字されたタペストリー(合成繊維製の布地)を初めて公開した。企画に賛同する遺族を募り、今後犠牲者の名前を追加していくという。

 大空襲で母と弟を失った利光はる子さん(97)=板橋区=はタペストリーを見詰め、「名前が残せるようになった」と涙ぐんだ。 

東京空襲の犠牲者の名前が印字されたタペストリーを見詰める遺族=8日、東京都台東区
東京空襲の犠牲者の名前が印字されたタペストリーを見詰める遺族=8日、東京都台東区

このニュースに関するつぶやき

  • こういう追悼集会、総理出席義務で大々的にした方が良い。日本は敗戦になったが国民は犠牲者に過ぎない。海外の犠牲者を考える前に日本の歴史と犠牲を悼むべきなんじゃないか、特に政府は
    • イイネ!7
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