2025スーパーGT富士公式テスト GT300クラスの走行 スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは、5月3〜4日に静岡県の富士スピードウェイで開催される2025年スーパーGT第2戦『FUJI GT 3HOURS RACE』での参加条件について発表した。
スーパーGTでは、各レース前に参加条件が提示され、各車両はこれに従った条件で参加しなければならない。共通規定で争われるGT500クラスでは大きな調整はないが、GT300クラスではGTA-GT300規定車両、GT300マザーシャシーにそれぞれ条件が示されるほか、GT3車両はSROモータースポーツ・グループとの協定により、2025年にFIAまたはGTワールドチャレンジの性能調整が設定され、モデル別/サーキット別に策定されたものを基準にGTAが定めている。
第2戦には、GT500クラスはサクセスウエイトを搭載する車両がいることから、第1戦岡山の参加条件から表記が変更となった。そしてGT300クラスでは、各規定車両の数値が変更されている。
GTA GT300規定の車両においては、レクサスLC500h #31と#60、トヨタ・スープラ、トヨタGR86のエアリストリクター径が、29.67mm×2から29.97mm×2へとわずかに大きくなった。そしてBop重量はスバルBRZが+70kgから+60kgへ、レクサスLC500h #31が+95kgから+80kgへと減少。一方、レクサスLC500h #60、トヨタ・スープラ、トヨタGR86、ニッサン・フェアレディZについては+50kgから+40kgへと減少している。
スキッドブロックスペーサーの厚さについては、開幕戦岡山では15mmに統一されていたが、スバルBRZ、レクサスLC500h #31と#60、トヨタ・スープラ、トヨタGR86が16.5mmへと変更された。
GT300マザーシャシーについても変更が見られ、エアリストリクター径が40.00mm×1から41.00mm×1へ大径化。BoP重量は+50kgから+75kgへ増加している。
FIA-GT3車両においても、BoP重量とエアリストリクター径について富士大会へ向けた変更が確認されている。BoP重量に関して、増加した車種ではアストンマーティンAMRバンテージGT3 EVOは45kgから50kg、レクサスRC F GT3は15kgから40kg、ポルシェ911 GT3-R(992)は55kgから65kgに変更されており、減少した車種ではフェラーリ296 GT3は45kgから40kg、ランボルギーニ・ウラカンGT3 EVO2は85kgから80kgへと変更された。
また、エアリストリクター径においては2車種に変更が見られ、ランボルギーニ・ウラカンGT3 EVO2は1×48mmから1×50mmへ、メルセデスAMG GT3 2020は2×34.5mmから2×35mmへサイズアップする。
さらに、GTA GT300とFIA-GT3における最大過給圧についても、エンジンにターボチャージャーを搭載している全車種に変更箇所がある。第2戦富士についての参加条件は下記のとおりだ。
※太字:2025年第1戦岡山からの変更箇所
I. GT500クラス
参加車両については、SpR 第23条サクセスウエイト制に従った燃料流量リストリクターを装着すること。燃料補給装置給油ホースリストリクター(内径25.0mm)が引き続き適用される。取付位置等については、末項を参照のこと。
II. GT300クラス
GT300
競技車両/最低重量/エアリストリクター径/BoP 重量/車両重量/スキッドブロックスペーサー厚さ/給油リストリクター/備考
スバルBRZ/1200kg/None/+60kg/1260kg/16.5mm/31.2mm/過給圧は別表参照
レクサスLC500h #31/1250kg/29.97mm×2/+80kg/1330kg/16.5mm/27.5mm/BoP重量はハイブリッド重量を含む
レクサスLC500h #60/1250kg/29.97mm×2/+40kg/1290kg/16.5mm/27.5mm/ハイブリッド非搭載
トヨタ・スープラ/1250kg/29.97mm×2/+40kg/1290kg/16.5mm/27.5mm/
トヨタGR86/1250kg/29.97mm×2/+40kg/1290kg/16.5mm/27.5mm/
ニッサン・フェアレディZ/1250kg/None/+40kg/1290kg/15mm/27.5mm/過給圧は別表参照
*1 給油リストリクターの形状は、最少内径を除いて、2025年JAF国内競技車両規則第3章第10条10.3.2 第3-2図「流量リストリクター」の形状を維持しなければならない。*2 ハイブリッド車両についてはGTAが別途指定するデータを提出しなければならない。*3 最低地上高はスキッドブロック厚10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間に上記厚さのスペーサーを装着とする。
GT300マザーシャシー
競技車両/最低重量/エアリストリクター径/BoP 重量/車両重量/給油リストリクター/備考
トヨタ86 MC/1100kg/41.00mm×1/+75kg/1175kg/27.5mm/
*1 給油リストリクターの形状は、最少内径を除いて、2025年JAF国内競技車両規則第3章第10条10.3.2 第3-2図「流量リストリクター」の形状を維持しなければならない。*2 最低地上高はスキッドブロック厚10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー10mmを装着とする。*3 車両に搭載できる燃料の総容量は110L以下とする。
FIA-GT3
競技車両/公認番号/最低重量/BoP/車両重量/エアリストリクター径/最低地上高/給油リストリクター/備考
アストンマーティンAMRバンテージGT3 EVO/GT3-051/1265kg/50/1315/None/F:53mm/R:53mm/34mm/
フェラーリ296 GT3/GT3-056/1275kg/40/1315/None/F:80mm/R:83mm/31.5mm/
ランボルギーニ・ウラカンGT3 EVO2/GT3-054/1250kg/80/1330/1×50mm/F:70mm/R:128mm/29.4mm/*4
レクサスRC F GT3/GT3-046/1300kg/40/1340/2×40mm/F:90mm/R:280mm/34mm/
メルセデスAMG GT3 2020/GT3-042/1285kg/50/1335/2×35mm/F:81mm/R:87mm/34mm/Lambda Min 0.91
ニッサンGT-RニスモGT3/GT3-048/1285kg/35/1320/None/F:124mm/R:165mm/31.5mm/
ポルシェ911 GT3-R(992)/GT3-055/1250kg/65/1315/2×39.5mm/F:97.5mm/R:120mm/29mm/
*1 FIA-GT3はFIAが指定するディメンションに従った形状を有するエアリストリクターを装着しなければならない。*2 給油リストリクターの形状は、最少内径を除いて、2025年JAF国内競技車両規則第3章第10条10.3.2 第3-2図「流量リストリクター」の形状を維持しなければならない。*3 搭載する追加ウェイトは、2025年国際モータースポーツ競技規則付則J項257A条 第204項に従って搭載しなければならない。*4 Krontec 88K SLを使用する場合の数値を上表は示す。その他のkrontec製リグを使用する場合、27.4mmとする。
最大過給圧
/スバルBRZ/ニッサンフェアレディZ/ニッサンGT-RニスモGT3/アストンマーティンバンテージGT3 EVO/フェラーリ296 GT3
エンジン回転数[rpm]/過給圧レシオ@Lambda/過給圧レシオ@Lambda/過給圧レシオ@Lambda/過給圧レシオ@Lambda/過給圧レシオ@Lambda
4000//1.88 @0.88/1.90 @0.88/1.56 @0.91/1.78 @0.90
4250/////
4500//1.83 @0.88/1.87 @0.88/1.66 @0.91/2.22 @0.90
4750/3.95 @0.92////
5000/3.88 @0.92/1.80 @0.88/1.85 @0.88/1.73 @0.91/2.48 @0.90
5250/3.70 @0.92////
5500/3.49 @0.92/1.73 @0.88/1.78 @0.88/1.77 @0.91/2.44 @0.90
5750/3.31 @0.92////
6000/3.28 @0.92/1.71 @0.87/1.76 @0.88/1.80 @0.91/2.40 @0.90
6250/3.11 @0.92////
6500/2.98 @0.92/1.68 @0.84/1.73 @0.88/1.77 @0.91/2.36 @0.90
6750/2.90 @0.92////
6900//1.64 @0.83/1.69 @0.88//2.30 @0.90
>/ 7000/2.75 @0.92/1.51 @0.88/1.51 @0.88/1.75 @0.91/
>/ 7250/2.58 @0.92///1.40 @0.91/2.24 @0.90
>/ 7500/2.41 @0.92////2.08 @0.90
8000/////1.00 @0.90
8100/////
上記過給圧は過給圧レシオであり、GTAが公示する基準大気圧に上記レシオをかけて最大過給圧が決定される。チームは各イベントにおいてGTAが発表する現地大気圧に合わせて過給圧を調整しなければならない。GTAロガーにおいて、アクセル開度>30%、エンジン回転数>3000rpm、進行方向加速度が>0、増加もしくは保持の間の条件において、50ms以上、規定過給上限値より+10mbarを記録した場合、審査委員会に報告される。規定過給圧に対し、線形補間を適用する。
III. 燃料補給装置給油ホースリストリクターの取付
以下省略
[オートスポーツweb 2025年04月22日]