鈴木亮平×有村架純が兄妹を演じる話題作『花まんま』兄妹の絆にファンタジーとコテコテ関西風味をプラスした不思議な映画です

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2025年04月24日 20:20  Pouch[ポーチ]

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【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、本音レビューをします。

今回ピックアップする映画は鈴木亮平さん、有村架純さんが兄妹を演じる感動作『花まんま』(2025年4月25日公開)。朱川湊人さんが直木賞を受賞した短編小説集『花まんま』の表題作を映画化。家族愛とファンタジーがミックスされた良き映画でした〜。

では物語からご紹介します。

【物語】

大阪の下町で暮らす俊樹(鈴木亮平さん)とフミ子(有村架純さん)は早くに両親を亡くし、兄妹で暮らしてきました。

妹を守り抜くことを心に誓っていた俊樹は、フミ子が結婚することになり親代わりとしてひと安心。……したいところですが、彼の脳裏にはときどき妹の秘密がよぎります。その秘密とはとても不思議なことでした。

【感動映画と思いきや意外な秘密が!】

まず初めに言いたいのは、兄と妹の感動映画……と思ったら意外な展開で驚き!

ネタバレになるので詳細は書けませんが、妹・フミ子の秘密には “記憶” が関係しています。その記憶にはある家族の悲劇が隠されていたのです。

その記憶は家族愛がもたらすもの。子が親を思い、親が子を思い、それを見守る周囲の人々など、この映画の登場人物は、心がまっすぐで清らかな人が多いんです。でもだからこそ、俊樹は記憶をたどり行動に移していくフミ子を止めることができず、やるせない感情を抱えてしまうのです。

「妹を守る、支える」ことを信念としていたから、何もできない自分に苛立っちゃうんですね。そんな俊樹の役に鈴木亮平さんがドンピシャのハマり役!

大熱演なのですが、やりすぎないいい塩梅で演じるのです。だから俊樹の感情がスーッと心に入ってきましたよ。

【コテコテの関西弁が飛び交う大阪映画】

とても感動的な家族映画なのですが、この映画の魅力はそれだけじゃありません。前田哲監督、キャストともに関西人が大集合しているので、ほんまもんの関西弁がビュンビュン飛び交い、会話がとても小気味がいいんです。

特に俊樹と幼馴染の駒子(ファーストサマーウイカさん)の会話はまるで夫婦漫才のよう。ウイカさんのキレキレの関西弁、惚れ惚れしちゃいました〜。お好み焼き屋の看板娘・駒子は原作には登場しない映画オリジナルのキャラクターですが、ウイカさんは役にしっかりと血を通わせ、本作のスパイス的な駒子を魅力的に演じ切っていました!

フミ子を演じた有村架純さんは記憶に振り回される難役でしたが、さすが安定感バッチリ。また、フミ子の婚約者の太郎を演じた鈴鹿央士さんも素晴らしかった。カラスの研究をしている大学の助教授で天然ボケみたいな人で、根はとても優しいキャラ。鈴鹿さんの出演作は何作か見ていますが、個人的には本作がいちばん好きでした!

そして忘れちゃいけないのが、大ベテラン芸人・オール阪神さんとオール巨人さんがそろって映画出演していることオール阪神さんはウイカさん演じる駒子のお父さん役。小さなボケをかましたりしていますから見逃さないで〜!

関西ならではの威勢の良さや笑いも散りばめながらも最後はグッと胸を打つ感動作『花まんま』。心がやさしくなる映画を見たいな〜と思ったら、ぜひ劇場へ足を運んでみてください。

執筆:斎藤 香(c)Pouch
Photo:©2025「花まんま」製作委員会

『花まんま』
2025年4月25日(金) より全国ロードショー
原作:朱川湊人『花まんま』(文春文庫/第133回直木賞受賞)
監督:前田 哲
脚本:北 敬太
出演:鈴木亮平 有村架純
鈴鹿央士 ファーストサマーウイカ 安藤玉恵 オール阪神 オール巨人
板橋駿谷 田村塁希 小野美音 南 琴奈 馬場園 梓
六角精児 キムラ緑子 酒向 芳
イメージソング:AI「my wish」(UNIVERSAL MUSIC / EMI Records)

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