F1、2026年パワーユニット規則修正についての議論を継続。レース中のモーター出力引き下げ案にメルセデスは強く反対

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2025年04月28日 12:00  AUTOSPORT web

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2025年F1第4戦バーレーンGP スタート
 メルセデスF1チーム代表トト・ウォルフは、2026年のパワーユニット(PU)規則において、電気出力を、現在定められている350kWから、レース時には200kWに引き下げるという提案について、否定的な態度を示している。

 2026年のF1新パワーユニットの規則においては、ICE(内燃エンジン)と電気モーターの出力比率を50パーセント対50パーセントにすると定められている。しかし、サーキットによって電気エネルギーが不足する事態が発生する懸念がささやかれ、その結果、レース中の電気出力の割合を下げるという提案がなされた。この提案はサウジアラビアGP週末中にF1マニュファクチャラーたちが受け取ったもので、2月24日に開催されたF1コミッション会議の議題にも含まれていた。

 その変更を望み、推進したのは2026年に自社製パワーユニットで参戦するレッドブルであると考えられている。しかしクリスチャン・ホーナー代表は、ジェッダでのレース後に、自分たちがこの提案を推進したという説を否定した。

 サウジアラビアGP決勝後、ウォルフは、パワーユニットに関する提案をどのように感じているかを尋ねられた際、強い言葉でこれを非難するのを抑えようとしていたようだが、それはあまりうまくいかなかった。

 アメリカ政府が始めた貿易戦争がF1に与える影響について直前に語っていたウォルフは、「F1コミッションの議題を読むことは、Twitter(現在のX)で見かけるアメリカ政治についてのコメントを読むのと同じくらい滑稽だ」と語った。

「自分たち自身を守るために発言を避けたいが、冗談としか思えない。1週間前にエンジン会議があったのに、こういうことが再び議題に上がるとは……」

 バーレーンの週末に行われた会議においては、2026年の規則にはわずかな変更以外は加えないことが決定されていた。

 一方、ホーナーは、「これは2年前に我々が検討を求めた事柄だ」と述べると同時に、「議題に載せるよう我々が推進したわけでは全くない」と強調した。

「FIAが独自に調査を行い、彼らが必死で避けたいと考えているのは、グランプリ中に発生する過度のリフト・アンド・コーストであり、それはスポーツにとって良くないことであるし、ドライバーにとって非常にフラストレーションのたまることだ」

 ホーナーは、「我々が働きかけたり、求めたりしたわけではない」と主張する一方で、「もしそれがスポーツの利益のためであるならば、我々は支持すべきだ」とも付け加えた。

 メルセデスおよびホンダと提携するチームは、規則変更の支持に回る可能性が低いと思われている。2社が反対すればその提案は否決されるだろう。

 フェラーリのフレデリック・バスールは、新提案を受けた直後、「まだそれについて考えたり、エンジン担当者たちと議論したりはしていない」と述べたうえで、柔軟な姿勢で議論をしていくという姿勢を示した。

「確かなのは、この状況に対して柔軟であるべきということだ。なぜなら、今回初めてエンジンからシャシーに至るまで大きな規則変更が行われるからであり、そして今はすべてを見直さなければならない人々を支援するべき時期だからだ」

「私はこれを議論することに前向きだ。我々はF1の将来にとって最良のものを作り出すべきだ。パワーの配分が50/50になるのか、65/35になるのか、あるいは他の割合になるのかということは議論できる。柔軟な姿勢を持つべきなのだ」

 4月24日のF1コミッション会合後、FIAは、「すべての議題について、適切な諮問委員会における専門家たちによる詳細な議論が行われる予定である」と述べた。

[オートスポーツweb 2025年04月28日]

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