
※本コラムは『人事の人見』第3話までのネタバレを含みます。

■人見くんの魅力を約1000文字で語ってみた
すみません。まず最初に言わせてください。
森谷さん(桜井日奈子)と話しているときの人見くん(松田元太)が恋すぎる〜!!!
はぁ……。というわけで、『人事の人見』第3話を振り返っていきたいと思います。今回のテーマになったのは、副業禁止問題。総務部長の石郡(中田顕史郎)に「副業をしている社員の対処をしないのは、職務怠慢だ!」と詰められた人事部は、違反者に適切な処分を下さなければならなくなりました。
|
|

そんななか、森谷さんは研究開発部の土橋さん(山口まゆ)から「VTuber活動は副業にあたるのか?」と相談を持ちかけられます。土橋さんは、月乃マタタキという名義でチャンネルを持っており、配信の収益化&グッズ販売もしているので、確実にアウト。ただ、孤独だった学生時代に配信を始めたことで、「少しだけ自分のことをマシだと思えるようになったんですよね」というエピソードを聞かされた森谷さんは、彼女の気持ちに共感して、つい「協力します!」と言ってしまいました。

というのも、森谷さんも土橋さんと同じように学生時代に孤独を感じていたんですよね。そして、当時のしんどさを、「絵を描いている時だけは、嫌なこととかも忘れられて。絵を描いて見せた時だけは、人と繋がれるっていうか。誰かと一緒にいられる気がして……」と人見くんの前で吐露した森谷さん。
すると、人見くんは「俺がいるじゃん。いや、絵見せてもらってないけど。俺いま一緒にいるよ?」と優しく声をかけたんです! ごめんなさい。ちょっと語ってもいいですか? 語らせてください。この人見くんの言い方、やばくなかったですか? ライターをやっている者として、やばいという言葉を多用するのはいかがなものかとも思いますが、言わせてください。人見くんは、“やばい”。

というのも、人見くんってチャラさがないんですよ。普通、男性が女性に「俺がいるじゃん」なんて言ったら、ちょっといやらしさを感じたりするじゃないですか。「こいつ、落としにかかってんな〜」みたいな。でも、人見くんの場合は、下心がないというか。本心で言っているのが伝わるから、刺さるんだと思います。
そして、そのあとの「ははっはははは」っていう笑い方は、やばいを通り越してえぐかった。笑いながら鼻を抑えるあたり、えぐいです。また、自分のことを「コミュ障」と自虐する森谷さんに、「森谷さん、漫画描いてても描いてなくても、みんなと一緒にやり取りできる人だと思うけどね」と言ってあげたのも優しすぎる。「漫画描いてなくても〜」ではなく「漫画描いてても描いてなくても〜」ってところに、人見くんの優しさが出ている気がしませんか?
|
|
さらに、「ねえ、どんな漫画描いてるの?」と聞き、森谷さんが漫画を準備している間、待ちきれない感じで手をパタパタさせていたのがあざとすぎる! これってアドリブなんですかね? それとも、素のあざとさなのか。どちらにせよ、尊すぎます!
自分が描いた漫画を、こんなふうに少年みたいにキラキラした瞳で読んでくれる人がいたら、キュンキュンしちゃいますよね。そして、「プロじゃん! めっちゃ面白いじゃん! プロすぎるでしょ!」と全力で褒めてくれるのも好きすぎる。

ただ、森谷さんが見せた漫画って、人見くんの事件簿をもとにしているんですよ。普通は、「これって、俺のことじゃん!」「なに勝手にSNS載せてんの!」とかってつっこむところじゃないですか。そんな小さなことは気にしない〜って感じの人見くんに、さらに恋しちゃいました。そのあとのグータッチ(※人見くんがパーを出してくるから一向にグータッチにならないやつ)もめちゃくちゃ楽しそうだったなぁ。一社に一人、人見くんがほしい!

恋愛ドラマ大好きなわたしとしては、森谷さんが人見くんに恋に落ちた(?)ような描写があったのも嬉しかったです。その表現方法も、ただ言葉にするのではなく、森谷さんが描いた絵で表すのが良かった。もともと、森谷さんが描く人見くんの絵はキャラクターだったんですけど、恋に落ちてからは実写っぽくなっていたんですよね。森谷さんにとって、人見くんが一人の人間としてくっきり見えるようになったってことなのかな〜と思いました。この2人の恋の行方も楽しみですね♡
■“優しい世界”が『人事の人見』の売りポイント
|
|

第3話も、「この会社はファンタジーか?」と思う点が多々ありました。たしかに、この不景気のなか副業を禁止されるのは厳しい部分もあります。ただ、本当に正直な話をすると、土橋さんの主張はちょっとわがまますぎるのでは? と感じてしまいました。
『日の出鉛筆』が急に副業禁止のルールを掲げ始めたのならまだ分かりますが、土橋さんはそのルールを知った上で入社したわけですよね(Vtuberの仕事は高校時代からやっていたと言っていたし)。わたしの周りでも副業をしている人はたくさんいますが、みんなちゃんと副業OKの会社を選択しています。なので、土橋さんもそもそも副業OKの会社を受けるべきだったのでは? と。

ただ、“優しい世界”というのが『人事の人見』の売りポイントなんだと思います。一般的な会社では、社会連絡協議会で「就業規則を変えてほしい」と提案しても、すぐに変えるというのはむずかしい。「だったらもっと給料上げてくれや〜」「仕事以外でもやりたいことがあるんじゃい!」という言い分があるのは分かるけれど、会社にだって「過重労働になったらどうするの?」「税金の申告はどうなる?」など副業禁止にしている理由がある。
でも、『人事の人見』は優しい世界だから、みんなが土橋さんに協力してくれて、会社も社員の意思を尊重してくれる。「どうせ無理に決まってるじゃん」という視聴者の気持ちを動かしてくれるのが、『人事の人見』なんです。土橋さんのように、「ちゃんと自分の意見を伝えて、話し合って。せっかく好きなことやるなら、こっそりよりも堂々とやった方が楽しくない?」と言えるようになるのは、ごく一部の人間だけかもしれない。ただ、動いてみなきゃ、何も始まらない。本作は、社会で戦うわたしたちに希望を与えてくれる作品だなと思います。
ではでは、また次回の放送でお会いしましょう!
(菜本かな)
元の記事はこちら- マイナビウーマン
- マイナビウーマン 関連ニュース
- 【男友達脈あり診断】サインを見逃してない?
- 【第4話】溺れてしまった
- 【vol.8】いつでも切れる関係