愛知県警本部=名古屋市中区 名古屋市発注の観光プロモーション事業を巡る汚職事件で、収賄容疑で逮捕された同市観光交流部元担当課長の大塚勝樹容疑者(62)が、上司の決裁を後回しにして、独断で贈賄側の広告会社「ニック」(同市)に事業を発注していた疑いのあることが12日、捜査関係者への取材で分かった。
愛知県警は、こうした不適正な手続きが癒着の背景にあるとみて調べている。
捜査関係者によると、ニックは2022年8月以降、下請け参入も含めて観光客誘致のイベント企画やグッズ製作など市のプロモーション事業43件を計約1600万円で受注。このうち市と直接契約する随意契約は19件、計約712万円だった。
市が発注する際は、見積もり段階や契約時に上司の観光推進課長の決裁が必要だったが、大塚容疑者はほとんどの事業で決裁を仰がず、一存でニックに発注。グッズなどが納品された後になって、日付をさかのぼった書類を作成し、同課長の決裁を得ていたという。