ヴィクトリアMに出走予定のクイーンズウォーク(c)netkeiba 本記事ではnetkeibaオリジナルAIが推奨する本命候補3頭を特筆すべき過去の傾向とともにご紹介します。
今週の重賞競走は土曜日に新潟大賞典(GIII)と京都ハイジャンプ(J・GII)、日曜日にヴィクトリアマイル(GI)が行われます。その中から東京競馬場で行われるヴィクトリアマイルを取り上げます。まずは過去の傾向から。
過去10年のヴィクトリアマイルでの前走着順別成績を見ていきます。過去10年のヴィクトリアマイルでは前走3着以内の馬が2勝2着8回3着6回となっています。前走で馬券に絡んでいる馬は2、3着には来るものの、なかなか勝ち切れないという傾向にあります。前走で好走している馬は他馬からのマークが厳しくなりやすく、道中での負担が大きいために勝ち切れていない可能性があります。
一方、前走4着以下の馬は8勝2着2回3着4回。馬券に絡んだ延べ14頭の内、11頭は東京芝1600mの重賞で3着以内の実績があった馬。残る3頭の内、2頭は東京芝1600mのGIで複数の勝ち馬を輩出しているディープインパクトやクロフネの血が入っていた馬でした。前走で4着以下に敗れていたとしても、東京芝1600mに高い適性を示す実績や血統背景などがある馬には注意が必要と言えそうです。ちなみに、例外は15年のミナレット。この年のヴィクトリアマイルは極端な前残り決着でしたので、適性云々よりも展開面が結果に大きな影響を与えたと考えられます。
続いては、過去10年のヴィクトリアマイルにおける前走距離別成績です。過去10年のヴィクトリアマイルでは、前走1600m以上に出走していた馬が8勝2着10回3着8回と良績を残しています。特に前走が1600mだった馬は5勝2着7回3着5回となっていますので、前走でヴィクトリアマイルと同じ距離に使われていた馬に分があると言えそうです。
前走が1400m以下だった馬は2勝3着2回と苦戦しています。過去10年のヴィクトリアマイルはすべて東京芝1600mで開催されています。前走で1400m以下の短距離の流れを経験している馬は、道中で溜めが利きづらいために苦戦しているのではないでしょうか。
それでは早速ですが、今週のヴィクトリアマイルでAIから導き出された月曜日時点での本命候補3頭をご紹介します。
◆波乱を予感させる本命候補
クイーンズウォーク
これまでGI勝ちの実績はありませんが、昨年のオークス(GI)では差し馬が上位に来る流れを先団から運び4着と力のあるところを見せている本馬。前走の金鯱賞(GII)はホウオウビスケッツやプログノーシスなどGIで好走した実績のある牡馬を相手に勝利していますし、実力はGI級と言えます。
近走は中距離が主戦場となっており、1600mへの出走は久々で距離への対応が課題と言えます。ただ、今回の舞台となる東京芝1600mでは昨年のクイーンC(GIII)で勝っていますし、条件替わりについてはそれほど心配しなくてもよさそうです。GIで相手は強くなりますが、自身の力を出し切れれば上位争いのチャンスは十分にありそうです。
シングザットソング
前走の愛知杯(GIII)は中団の内でジッと我慢する競馬。直線でも内を突いて追い上げ、23年10月以来の2着に好走。3歳時にはフィリーズレビュー(GII)を勝っているほどの馬ですし、自身が持っている能力を出し切れれば重賞でも十分に戦えることを証明する結果となりました。
先週のNHKマイルC(GI)の1着馬と3着馬は1400mの重賞で好走歴のあった馬。NHKマイルCとヴィクトリアマイルはどちらも東京芝1600m。先週の傾向を信頼すれば、1400mのフィリーズレビューを勝っている本馬には追い風と言えそうです。人気薄での出走にはなりそうですが、先週の傾向から侮れない1頭 と言えるのではないでしょうか。
ラヴェル
昨年のエリザベス女王杯(GI)では12番人気ながら2着に好走。次走のチャレンジC(GIII)では牡馬相手に重賞を勝利していますし、牝馬トップレベルの能力を備えている本馬。ここ2走は大敗続きですが、2走前は道悪で参考外。前走は牡馬の一線級が相手だった大阪杯(GI)で度外視できる一戦です。
東京芝1600mでは2歳時のアルテミスS(GIII)を勝っていますので適性は十分。この時の2着馬はリバティアイランド。リバティアイランドがスムーズにレースを運べなかったこともありますが、後の三冠牝馬に先着したのは素直に評価できる点です。今週末は雨予報が出ていることは気になりますが、良馬場で能力を発揮できるようならばガラッと変わっても不思議はなさそうです。