
【写真】臼田あさ美、ミニ丈衣装で黒ストッキングの美脚あらわ
本作は、「生きのびること」をテーマとして、日本の民話「鶴女房」のその後の世界と、ある家族を中心とした現実の世界が交錯しながら展開されていくオリジナル新作。2つの世界が複雑に絡み合いながら、「生きる」ことの本質に迫る。物語は、ある売れない作家が残した遺書のような小説『帰ってきた鶴』から始まり、残された者と「生きのびること」を描く。
作・演出は、1981年に劇団第三舞台を旗揚げし、『天使は瞳を閉じて』『トランス』『スナフキンの手紙』などの多数の代表作があり、紀伊國屋演劇賞、ゴールデンアロー賞、岸田國士戯曲賞をはじめ、読売文学賞戯曲・シナリオ賞と多数の賞を受賞した鴻上尚史。近年では、ミュージカル『スクールオブロック』翻訳・演出、『ウィングレス‐翼を持たぬ天使‐』『アカシアの雨が降る時』『朝日のような夕日をつれて2024』作・演出、『反乱のボヤージュ』脚本・演出を手掛けるほか、近著に『鴻上尚史のほがらか人生相談』『君はどう生きるか』などがあり、演劇のほかにも、小説家、ラジオパーソナリティ、映画監督など、多岐にわたる分野で活躍している。
現代では宮瀬陽一、物語世界で与吉を演じるのは、小関裕太。舞台『キングダム』『ジャンヌ・ダルク』、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』、ドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』『御曹司に恋はムズすぎる』、日本版声優としてディズニー映画『モアナと伝説の海2』に出演、また4月スタートドラマ『波うららかに、めおと日和』『いつか、ヒーロー』に出演など多方面にわたって活動している。
現代では篠川小都、物語世界でおつうを演じるのは、臼田あさ美。舞台リーディング劇『女中たち』、ドラマ『ブラッシュアップライフ』、映画『雑魚どもよ、大志を抱け!』『早乙女カナコの場合は』などに出演し、昨年には写真家・川島小鳥と韓国・ソウルを舞台に撮影した写真集『ソウルメイト』を発売、今年のドラマ『御上先生』でもその存在感が話題となった。
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現代では結城慎吾、物語世界で吾作を演じるのは、安西慎太郎。10月に『時をかけ・る〜LOSER〜』第2弾の上演を控え、『哀を腐せ』『演劇【推しの子】2.5次元舞台編』『朝日のような夕日をつれて2024』『しばしとてこそ』、オムニバス映画『Moirai』など俳優としての活動だけでなく、2020年には自身で企画・プロデュース・主演を務めた一人舞台『カプティウス』 を上演するなど、クリエイティブ分野にも活動の場を広げている。
KOKAMI@network vol.21『サヨナラソング ー帰ってきた鶴ー』は、紀伊國屋ホールにて8月31日〜9月21日、サンケイホールブリーゼにて9月27日〜28日上演。
※鴻上尚史、小関裕太、臼田あさ美ほかのコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■作・演出:鴻上尚史
日本人なら誰もが知っている鶴女房のラストは、切なく、かっこいいものです。去っていく鶴は圧倒的に美しい。けれど、残されたものは、哀しい。もし、去った鶴が戻って来たとしたら。そして、村の中で夫と2人で生活を始め、子供までできたとしたら。どんな人生になるのだろう。かっこよく去らず、戻ってきたことは果たしてよかったのか。この物語は、売れない作家である宮瀬陽一が残した遺書のような小説から始まります。それが、「戻ってきた鶴」の話でした。ただ、出版社は、小説誌に載せることを断り、未完になります。宮瀬の担当編集者だった相馬和彦は、宮瀬の妻であり、宮瀬と違って売れっ子作家である篠川小都に、宮瀬の小説の続きを書いてほしいと迫ります。夫の作品を妻が引き継ぎ、完成させれば、間違いなく話題になるだろうと考えたのです。悩みながらも、小都は、「鶴女房」の世界を書き始めます。そこでは、小都は、鶴女房として登場します。夫はもちろん、亡くなった宮瀬です。物語は、現実の小都の世界と、鶴女房の世界を往復しながら展開します。現実の世界では、小都には小学3年生の息子、由自がいて、担任は、大学時代の後輩である、結城慎吾です。由自とのコミュニケーションに悩む小都は、結城を頼り、結城は小都のために懸命に尽くそうとします。「鶴女房」の世界では、2人はさまざまな試練に出会います。夫役に、小関裕太さん。妻役に、臼田あさ美さん。編集者の相馬和彦役に、太田基裕さん、担任役に安西慎太郎さんという、じつに魅力的な人たちに集まってもらえました。
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■小関裕太
今回、初めてご一緒させていただく鴻上さんと、僕にとって初めての紀伊國屋ホールでの公演作品となり、とてもワクワクしています。
今作は鴻上さんのオリジナル脚本なのですが、プロットを読ませていただき、「生きる」ということを考えさせられ、この物語に飛び込んでみたいと思いました。
先日、鴻上さんとこの作品についてより深くお話しする機会をいただいたのですが、日本の舞台界を引っ張ってきた偉大な方でありながら、丁寧に同じ目線で向かい合ってくださる姿勢が印象深く感銘を受けました。
さて今夏の終わり、この作品が創り上げられた公演期間にどんな景色が見られるか、物凄く楽しみです。
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■臼田あさ美
この度『サヨナラソング-帰ってきた鶴-』に出演させて頂く事になりました。私自身、演劇の舞台に立つのが8年ぶりということもありますし、演出の鴻上さんをはじめ、共演の皆様とも初めましてなので、全く先が見えません。足を運んでくださった方々に、楽しんでいただけるよう、日々のお稽古を大事に、心を通わせて作り上げていきたいと思います。なんて落ち着いて言葉をまとめてみましたが、やはり想像をするととんでもなく緊張するので、今はあまり考えすぎずに、作品の栄養になるようなことをどんどん吸収して頑張ります! 頑張りましょう!
■太田基裕
演出の鴻上尚史さんとは以前、ミュージカルでご一緒させていただきました。思慮深い方という印象で、楽しく共に作品を構築させていただきました。
今回もまたどのような作品になるのか、自分自身への挑戦、学びも得ながら、キャスト・スタッフの皆様と素敵な作品になる様、精進したいと思います。
劇場でお待ちしております。
■安西慎太郎
『サヨナラソング ー帰ってきた鶴ー』。今、とてもワクワクしています。
脚本・演出の鴻上さんとは以前ご一緒した時にとても刺激的な時間を過ごさせて頂き、改めて演劇の面白さと可能性を肌で感じました。キャストの皆様も全員初めましての方たちなのですが、こうして新しい人々と出会えること、物語の中で役として出会える事を幸せに思います。また、観劇者であるお客様が一生忘れる事のできない記憶に残る作品にできたらと思っています。ぜひ、劇場へお越し下さい。