画像:森香澄 Instagramより3月末にNHKを退局したフリーアナ・中川安奈が立て続けに人気番組へ出演している。
事務所の先輩である和田アキ子の番組『アッコにおまかせ!』(TBS系)に出演したほか、『酒のツマミになる話』(フジテレビ系)では、NHK時代には考えられなかった、酒を飲みながらのトークにも挑戦した。
また、元フジテレビの加藤綾子は、『ナゼそこ?+』(テレビ東京系)で2年半ぶりの復帰を果たした。出産もあり休業していた加藤だが、復帰番組は好評で、今後は他局への出演も噂されている。
◆フリー女子アナ“戦国時代”へ突入
新規参入や復帰が相次ぎ、かつてないほど元女子アナの活動が活発になっている芸能界。しかし、その一方で需要と供給のバランスが崩れていると、キー局の編成担当者が明かしてくれた。
「高島彩さんのようなベテランもまだまだ活躍していますし、昨年は元テレ東の鷲見玲奈さんが産後に復帰するなど、ママになって戻ってくるケースも増えてきています。今やフリーの女子アナは本当にたくさんいて、『元女子アナ』という肩書きだけでは、それほどプラスにはならなくなってきているんです。
そんな背景もあって、水卜麻美アナや弘中綾香アナといった人気の局アナたちが、なかなか独立に踏み切れないという話もあります。『女子アナを辞めて芸能人になる』というのは、かつてのように成功が約束された道ではなくなっていて、独立した女子アナは自分のキャラを見つけようと必死です。『やっぱり局アナのままのほうがよかったかも…』なんて声もちらほら聞こえてきます」
独立してから大ブレイクを果たした田中みな実ですら、テレビをはじめメディアで露出が減っている状態。田中は、バラエティ番組を卒業して女優として活動をしているが、今年に入ってからは作品で名前を聞かなくなっている。フリー女子アナ業界はまさに“戦国時代”。生き残りをかけて、熾烈な競争が繰り広げられている。
◆森香澄が“フリー女子アナの頂点”に駆け上がる理由
そんな中、田中に代わってフリー女子アナ界の頂点に君臨しているのが、元テレビ東京の森香澄だ。森は2023年にテレビ東京を退社後、あざといキャラでバラエティ番組に出演し、タレントパワーランキングが発表した「2024年上半期にブレイクした女性タレント」で2位にランクインを果たした。2025年に入ってからも番組への出演が続き、大胆な水着や下着姿を見せるセクシーグラビアにも挑戦している。
さらに、2025年に入ってからは、『キスでふさいで、バレないで。』(読売テレビ)や『擬人化ドラマ 被告人パンダ』(NHK)など、ドラマにも立て続けに出演。4月開始の主演ドラマ『年下童貞くんに翻弄されてます』(毎日放送)、公開中の映画『裏社員。-スパイやらせてもろてます‐』への出演もあり、女優としてもブレイク中だ。なぜ、ここまでの人気を集めているのか?その理由を、前述の編成担当者が明かしてくれた。
「森さんはバラエティ番組でNGが少なくて、どんな企画にも柔軟に対応してくれるので、制作側からとても重宝されています。下ネタもOKということで、『使いやすい』と感じているスタッフも多いようです。冠番組の『森香澄の全部嘘テレビ』(テレビ朝日系)では、メイドの仕事やホスト体験、ビールの売り子など、身体を張った企画にもどんどん挑戦しています。
何でも体当たりでやりきってくれるので、ディレクターからの信頼も厚く、今後も番組への出演が減ることはなさそうです。
また、ドラマでは演技力も一定の評価を得ていて、今は比較的マイナーな作品が中心ですが、今年あたりにはメジャーなドラマへの出演も期待されています」
◆宇垣美里が“怒りキャラ”で再ブレイク?森香澄の対抗馬に
そんな森の対抗馬として、今年ブレイクしそうなのが元TBSの宇垣美里だという。宇垣は2019年にTBSを退社してからは、女優業、ラジオパーソナリティ、執筆業とマルチに活躍している。
そんな宇垣だが、4月に出演した『酒のツマミになる話』(フジテレビ系)では、男性はなぜ素直に謝れないのかと持論を展開。パンサーの尾形貴弘らと激論を交わしたのだが、少しキレ気味の発言が目立ち、SNSでは主に男性からの批判が相次いだ。プチ炎上を起こしたわけだが、このキレ発言は宇垣がブレイクするキッカケになるかもしれないと、キー局の編成担当者が解説する。
「宇垣さんって気が強くて、思ったことをはっきり言うタイプなんですよね。田中さんや森さんみたいに先にブレイクしたアナウンサーとはまた違ったキャラで、かなり特殊なフリーアナになると思います。
ただ、単なる“怒りキャラ”ってわけじゃなくて、TBSラジオの『アフター6ジャンクション』を聴いてもらえればわかるんですが、筋が通ってないことが嫌いで、スパッとした性格なんです。こういうタイプって、女性からの好感度も高いですし、ハマるバラエティ番組に出られたら一気に人気が出そうですよね。
それに映画とか漫画の知識もかなりあって、まだまだ出してないネタもいっぱい持ってそうです。“あざとい系”の森さんとは真逆のキャラなので、バラエティ番組のプロデューサーたちからも注目されているみたいですよ。」
新規参入が多く、目まぐるしく勢力図が変わり続けているフリーアナ業界。現在は森が圧倒的な人気を得ているが、近いうちに宇垣がその座を奪う日が来るかもしれない。
<文/ゆるま小林>
【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆