故郷で大勝負をものにする。B3新潟は14日、プレーオフ3位決定戦のアウェー岩手戦(17〜19日、岩手・盛岡タカヤアリーナ、2戦先勝)に向けた練習をアオーレ長岡で行った。ここで2勝して3位を決めればB2昇格が決まる。SG川村卓也(39)は岩手出身。地元ながら、完全アウェーが予想される雰囲気の中で昇格を誓った。
◇ ◇ ◇
時折笑顔になっても、すぐに口元が引き締まる。岩手との3位決定戦に向けた練習が始まったこの日、川村は全体練習後、いつも通りに全方向から3点シュートを打ち込んで丁寧に調整した。「次があるのだから、そこにマインドをセットする」と気持ちを引き締めた。
ホームのアオーレ長岡で行われた準決勝の東京Z戦、新潟は勝って決勝に進めばB2昇格をものにすることができたが、1勝2敗で敗れた。ただ、東京ZはB2ライセンスを保持していないため昇格の対象外。3位決定戦の勝者が昇格する。ホームで決められなかった失意はあるが、可能性は残った。
決戦の場は故郷の岩手。会場の盛岡タカヤアリーナは盛岡南(現南昌みらい)1年の時に公式戦デビューした場所だ。それでも懐かしさはない。「岩手出身の選手としてビッグゲームを迎える。バスケの神様は相当な崖っぷち感覚に追い込んでくれる」と苦笑い。地元とはいえ、完全アウェーを覚悟。「僕は新潟アルビレックスBBの選手。知り合いが観戦に来ても、戦う相手は岩手」と隙はない。
|
|
東京Z戦では要所で3点シュートを決めるなど、持ち味を発揮した。得点力はチームが求めるところ。それ以上に「カイル(ハント)やジャンピ(ムトンボ・ジャン・ピエール)の負担を軽くすることが僕の役目」。インサイドの要の2人をはじめ、周囲を支えることを重視する。大一番を前に、常に大切にしているフォアザチームの思いはさらに強まった。
「究極の崖っぷち。ここでやらなきゃ上がれない。だから面白い」。ラストチャンス。臆せず昇格をもぎ取りに行く。【斎藤慎一郎】
○…新潟は50分間のミーティング後にプレー確認や自主練習を行った。鵜沢潤監督(43)は東京Z戦で簡単に3点シュートを決められた反省から「目の前の相手との間合い、あと半歩詰められたか、あと少し手を挙げて守れたか。細かいところの徹底が大切」と岩手戦で遂行するべき姿勢を説いた。練習会場のアオーレ長岡には、同所の職員の心遣いで今季のチームスローガン「覚悟 再生 復権」が記された六角だこが掲げられた。鵜沢監督は「肝に銘じて、今季の目標は何なのかを再確認した」と気持ちを奮い立たせた。
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。