飲み屋の女性に「大金を貢げば何でもしていい」と思っている男性の大きな勘違い

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2025年05月15日 16:01  日刊SPA!

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日刊SPA!

最近は夜更かしがキツくなってきた筆者(みずえちゃん)
 大人の社交場・銀座のクラブにホステスとして勤めているみずえちゃんと申します。大酒飲みキャラが定着してしまうと、当然お酒を大量に飲むことを期待され、その結果自分自身が苦労をするだけなので「お酒は大好きだけど弱いんですう〜」と、ぶりっ子をしているのですが、まれに自ら「私、お酒すっごく強いです」と名乗りをあげている女性がいますよね。そして、そういう子に限ってだいたいすごく弱い。心配になります。
 その傍ら、ライターとしても活動しており、これまでに私がお酌をさせていただいたおじさま方との実体験をもとに、夜遊びやモテに関する情報を発信させていただいております。

◆「酔った勢いで」は言い訳にならない

 飲み屋さんでは、お客様が何を買ったつもりでその料金を支払ったか、そして、ホステスが何を売ったつもりでその料金を受け取ったかが実にあいまいです。

 例えば、お客様は「今日はドンペリを2本もあけたんだし、そろそろ彼女とあんなことやこんなことができるに違いない」とワクワクしている一方で、ホステスは「良い夢見せてあげたんだし妥当な料金よね」と鼻を鳴らしているかもしれないわけで、双方の天秤はなかなか釣り合わない。だって料金表には「ドンペリ2本じゃ何もできません」なんて書いてないし。

 支払った料金にはあんなことやこんなこと代も含まれていると期待しているお客様と、そんなものは含まれていないとふんぞり返っているホステスの間には、ちょっと不幸せな食い違いが発生しています。

 そして、お客様の思い込みと期待がエスカレートし、笑えない事態を招いてしまうことも。

 今回は、思い違いをしたお客様の異常行動についてお話ししたいと思います。「酔った勢いで」などというバカみたいな理由で全て失ってしまうリスクは誰にでもあります。他人事と思わず、ご自身の胸に手を当てて読んで欲しいです。

◆タクシーに乗り込んできたサラリーマン風の男性

 新卒で入社した会社を辞めた23歳の当時の私は、大阪・北新地のとあるキャバクラで働いていました。

「指スマ」「ちっち」など地域やコミュニティごとに呼び方は異なりますが、プレーヤーが親指をあげ、その数を当てるゲーム(私の周囲では「るんるん」と呼ばれていました)が、私の働いていたキャバクラでも流行っていました。参加者同士で互いに立てた指の数を言い合い、負けたらテキーラの一気飲み。それから古今東西、炙りカルビゲーム、たけのこたけのこニョッキッキと宴会ゲームが続きました。

 閉店時間を過ぎてお店を出るころには全員目は血走ってフラフラです。なんとかタクシーを捕まえて乗車すると、同じように目を充血させたおじさんが乗り込んできました。私の隣でたけのこたけのこニョッキッキに興じていたサラリーマン風の男性客でした。

「方向が一緒だから」と話す彼に、まあそういうこともあるかと納得し、運転手さんに自宅住所を伝え、車を発進してもらいました。今思えば不注意だったと思います。

◆キャバ嬢の自宅に無理矢理上がり込もうとする男性

 タクシーが自宅前に到着し「今日はご馳走様でした」と、男性に告げ、車を降りると、何故か彼も一緒に降りて私のあとをついてきます。そこでやっと彼の意図に気が付きましたが、タクシーはもういなくなっているし、辺鄙なところに暮らしていたので周囲に人もいません。

 無視してその場を立ち去ろうとする私の腕を掴み「ちょっと!待ってよ。こんなところに置いていくの?」と彼は言いました。きも。

「知らないし、お父さんと住んでるんだけど(大嘘)」と答えると

「あんなに(金を)使ってやったのに!」

 と、捨て台詞を残し、男性は立ち去りました。

 感謝して欲しいものです。無理矢理部屋に上がり込んで何をするつもりだったかわかりませんが、そんなことをしたらしっかり法の裁きを受けることになります。私はそれを未然に防いであげたのですよ、おっさん。

 男性は「テキーラをご馳走してあげたのだからお部屋であんなことやこんなことができて当然」と思い違いをしたのかもしれませんね。だとしても、ちょっといきすぎです。

◆酒に酔った女性と無理矢理行為に及ぶ=「口説いた」だと思ってないですか?

 キャバクラやクラブなど、女性がいる飲み屋さんを勘違いしているのか「ちょめちょめできるなら指名するよ」なんてことを言い出すボウヤがまれにいます。

 そういうことがしたいならそういうお店を利用したらいいのに。半額以下でスッキリできます。でも「それじゃあ楽しくない!女性を口説き落とすのが楽しいのに」と彼らは言います。

 このような男性はへべれけに酔った女性と無理矢理行為に及ぶことを「口説き落とす」だと勘違いしている節があるように思います。

 お酒を飲んで前後不覚になっている女性から得た同意になんの意味があるのでしょうか?「酒に酔った勢いで」なんかで何もかも失う前にもう1度考えてみて欲しいものです。

◆同意・不同意について

 少し話は変わりますが、タレントやお笑い芸人の性暴力が報じられると「部屋に行ったやつが悪い」「そもそも2人で食事をしたのが悪い」「ホテルに行くってことはそういうこと」と、被害者を責め、暴力を正当化する人が必ず現れますよね。

「部屋やホテルに行ったやつが悪い」なんてことを言う人が一定数いるとわかった上では、男性とは、言葉が通じない上に腕力だけは何倍もあるバケモノである、という前提で付き合っていかなくてはならないのです。

 部屋に行った人も、2人で食事をした人も、ホテルに行った人も悪くない。それだけは絶対に。だって「部屋に行って性行為をしますがいいでしょうか?」って、彼女に聞いた?どうせ聞いてないでしょ。

 2人で食事をして、良いムードになって、そのあとホテルに行ったとしても、「こいつなんか口臭いな」とかで帰りたくなることなんていくらでもありますよ。私は帰りますし、帰っていいんです。口が臭いお前が圧倒的に悪い。

◆完遂してしまえば即アウトです

 今回は「思い違いをしたお客様の異常行動」についてお話ししました。未遂に終わったからまだ良かったけれど、そうじゃなかったケースなんてきっとごまんとあります。

 InstagramなどのSNSではキラキラして見えるこの業界ですが、買う側と売る側がやり取りしていると、認識が食い違うことなんて日常茶飯事ですから、「こんなにたくさんお金を使ったのに!」と暴走するタイプの男性と対峙することもまあまああります。そういうお仕事です。

 とはいえ、飲み屋で遊んでおいて別のサービスまで受けられると勘違いしている側が圧倒的に異常。スッキリしたいならそういうお店に行きましょう。

<文/みずえちゃん>

【みずえちゃん】
1989年生まれ。新潟県長岡市出身。関西外国語大学卒業後、大阪市内の広告代理店に勤務する傍ら、キャバ嬢デビュー。結婚、離婚、地方の激安キャバクラを経て、現在は銀座ホステスとライターを兼業。X(旧Twitter):@mizuechan1989

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