
『家政夫のミタゾノ』舞台化が決定
「何が当たるかわかんないねって感じ(笑)。ラッキーだなと思います」
と、『家政夫のミタゾノ』への思いを話した松岡昌宏。女装した大柄な家政夫・三田園薫が、派遣された家庭の内情を覗き見し、 “根深い汚れ”までもスッキリと落としていくドラマシリーズ『家政夫のミタゾノ』は、2016年にナイトドラマとしてスタートし、今年放映の第7シリーズで記念すべき10年目を迎えた。長く愛される理由を松岡は、
「癖の強いものに対する拒否反応みたいなものだと思います。最初は嫌なんだけど、慣れてくると好きな人はずっと食べちゃうパクチーみたいな(笑)。
僕はパクチーが好きなんですけど、最初は食べられなかったんですよ。この作品も、最初に“本当にダメだ”ってなった人はそこで終わっていると思うんですけど、今も観てくれている人は“なんなのこれ?”から入って、なんか癖になってくれたのかなって思います」
と分析した。そんなパクチーのように癖になる『家政夫のミタゾノ』の、2度目の舞台化が決定。2022年に上演された最初の舞台が終わったとき、「もっといろんなところで観てもらいたいよね」とプロデューサーと話していたという。
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「今回の舞台のオファーをいただいたときは、ドラマの撮了と舞台の稽古とのインターバルが1か月しかなくて体力的にきついかもしれないし、正直どうしようかなって思っていました。でも、丸9年もミタゾノをやらせていただいているのと、“前回はあまり地方を回れなかったけど今回はいろんなところ回れますよ”っていう餌をぶら下げられまして、それに食いついた状況です(笑)。
“この街にドリフがくるぞ”みたいな、そういう目線で観てもらいたいなって思ってお受けしました」
巣鴨でおばちゃんに声をかけられて…
今では数々の舞台で存在感を示し続けている松岡だが、若いころは「舞台はやらない」と周囲に宣言していたという。
「僕はとにかく有名になりたかったんです。有名になれるなら、歌手だろうが役者だろうがタレントだろうがなんでもよかった。
でも舞台だと、観てくれる人数が限られるじゃないですか。だから“テレビに出たい、舞台は出ない!”って言っていました。街を歩いていて、知らない人たちから“松岡くんじゃない?”って騒がれるようになってから舞台に出るって決めていたんです。
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それで24歳のとき、巣鴨でロケをやっていたら、おばちゃんたちに“松岡くーん!”って言われて。その後にすぐ、“舞台やらせてください!”って言いました(笑)」
それからコンスタントに舞台に出続けている理由は?
「“ライブ”というものが好きなんです。それと、ちょっとだけカッコいいこと言うとすれば、芝居を偏らせたくないからです。映像だけやると芝居が映像の芝居になるし、舞台だけやると舞台の芝居になっちゃうんです。
映像も舞台も影響し合うので、自分の芝居を偏らせないように数年に1度は舞台に出させてもらっています」
『ミタゾノ』を舞台化するにあたって特に気にかけているのは「ドラマのファンがどう思うか」という点。
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「テレビで観て感じるものと、生で感じるものって違うと思うんです。
その違いを受け入れてほしいとまでは思わないけど、観た人に“やっぱりドラマのほうが良かったね”とは思われたくない。“舞台も面白いね”って言わせないといけない。それができないなら、舞台化なんてやっちゃいけないと、僕は思っています。
“ドラマのほうが良かった”と言わせないために、僕らがどういうものをご用意できるかが勝負だと思います」
そう力強く語った松岡。稽古が始まって1週間ほどたったところだという。
「稽古では、バラバラなキャラクターをひとつの鍋に入れて調理して、はたしてうまくなるのか?みたいな駆け引きをやっているところ。闇鍋みたいなキャストですから(笑)。
それが終わってから、塩・こしょうをしていこうと思っています。まだ味つけはしてないんです」
一体どんな料理ができたのか、劇場で味見しなきゃ!
家庭の問題をスッキリ一掃するミタゾノ。松岡さんの気持ちを“スッキリ一掃”するものは?
何があってもどんな気持ちでも、家に帰って犬がいればなんとかなるかな。香水を買うときって、テスターを嗅ぎ続けて鼻がバカになってくるとコーヒー豆の香りを嗅ぐじゃないですか。僕にとっての犬がそれと同じ。明日の仕事や次の作品に向けて自分をリセットして、ニュートラルにしてくれる存在です。
老舗温泉旅館が舞台。お風呂のこだわりは?
たとえ真夏でもシャワーで済ませずに、絶対に湯船につかることです。そうしないとバテちゃうから。湯船ではテレビを観ながら、15分くらいつかってます。