ヴィクトリアMに出走予定のアスコリピチェーノ(ユーザー提供:りりさん) 東京競馬場芝1600m戦を舞台に行われる「春の女王決定戦」。マイル戦に求められるものはいつもスピードと瞬発力だが、今年の場合は逃げにこだわる馬がいないのでペース判断が。加えて、先週、先々週と速いタイムが出ているのがポイントになりそうだ。
◎アスコリピチェーノは2023年の最優秀2歳牝馬。不敗のまま制した阪神JFから、ぶっつけで挑んだ桜花賞は直線入り口で外に振られる不利があり、NHKマイルCも最後の直線で行き場を失い結果は2着。京王杯AHを勝ったあとは活躍の場を海外に求めて、この2月にはサウジアラビアの1351ターフスプリントで日本馬対決を制している。2度の海外遠征を経ての帰国初戦は少々気になるものの、前走で短い距離を経験したことはプラスに作用すると判断した。
〇アルジーヌはターコイズS優勝馬。約4か月ぶりの実戦となった前走の阪神牝馬Sでは体重を増やして挑み、ハナ差2着。前後半の半マイルが47.5秒〜45.3秒という末脚勝負のペースの中、1番枠から内々でしっかりと脚を溜め、最後は勝ち馬に馬体を併せるように伸びてきた。ペース次第で、どんな位置からでも競馬ができるのが強みで最後は確実に良い脚を使う。東京競馬場は初めてだが、同じ左回りの中京競馬場で新馬戦に優勝しており、大きく割り引く必要はなさそうだ。
▲ステレンボッシュは桜花賞馬。阪神JFでもアスコリピチェーノとクビ差の好勝負を演じており、マイル戦での実績は互角だ。その後はオークス2着、秋華賞3着。遠征した香港ヴァーズは最後の直線で1度は先頭に立ったものの最後は力尽きて3着だった。今回は1年以上ぶりのマイル戦。今のこの馬にとってマイルがベストディスタンスかどうかは意見が分かれるところだろうが、しっかりと脚を溜めることができれば勝機もあるはず。
△ボンドガールは東京競馬場芝1600m新馬戦に勝ち、サウジアラビアRC2着。NHKマイルCは最後の直線で致命的な不利があって大敗を喫してしまったが、その後は脚質転換を図り、長く伸びる末脚を武器に健闘を続けている。
良い脚を長く使える△サフィラはマイル戦ではあまり崩れたことはない。フローラS2着の実績を持つ△ソーダズリングは距離延長と長い直線が味方してくれそうで、堅実な△ビヨンドザヴァレーもマイル戦は[4-4-0-3]。流れひとつで食い込めそうだ。