安らぎの青か苦しみの赤か……観客の選択が物語を分岐する - 未来古代楽団、4thライブ「未来古代舞踏祭『瞬き、やがて、永遠』」を開催

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2025年05月20日 19:11  マイナビニュース

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代表曲「忘れじの言の葉」(スクウェア・エニックス『グリムノーツ』主題歌)で知られ、海外では「日本のゲーム音楽カルチャーの後継者」と呼ばれる注目アーティスト「未来古代楽団」が、2025年5月17日(土)、東京・渋谷の渋谷ストリームホールにて、4thライブ「未来古代舞踏祭『瞬き、やがて、永遠』」を開催した。


未来古代楽団は、「千年後の古代音楽」をコンセプトに掲げる、作家・作曲家の砂守岳央を中心とした音楽ユニット。ストリングスを活かした民族調の楽曲、多重コーラスを中心としたサウンド、そして砂守の作詞による独自の世界観が世代を超えて支持を集めており、楽曲提供、ゲーム音楽、舞台・映像の劇伴など幅広い活動を行っている。



ストリングスがメインとなることが多く、どちらかというと“静かに聞き入る”というイメージが強い未来古代楽団の音楽だが、今回のライブはオールスタンディングでの開催。未来古代楽団にとっても初の試みであり、「未来と古代の交わる場所」と表現されるステージにどのようなシナジーが生まれるのか、大きな注目が集められた。



開演前のホワイエには、大地を流れる川、揺蕩う水面、潤う大地、砕け散る濁流などの映像が映し出され、その中を断片的な言葉が浮かび上がっては消えていく。この映像が示すものは何か、そしてライブでは何が語られるのか……。今回のストーリーは、水に感謝を捧げる舞踏祭。観客は“踊り子”であり、歌を、踊りを、そして手拍子を世界に捧げる。未来古代語で綴られたプロローグを導くオープニング映像が流れる中、未来古代楽団のメンバーがステージに姿を表し、開幕の時を迎える。



オープニングナンバーは「あはれなるは青キ赤」。紗幕の中で踊り、語りかける青と赤の人形と相まって、この2色がライブ終盤で大きな役割を担うことになる。注目のゲストボーカルは、未来古代楽団のライブには初参加となる霜月はるか。未来古代楽団と霜月、それぞれの強烈な個性、オリジナリティがぶつかり合い、融合し、新たな世界を切り開いていく。そして「踊踊踊レ」「フタハ」と立て続けに3曲を披露。最初こそ、静かに聞き入っていた観客も、「踊踊踊レ」のアップテンポにノセられて、徐々に体を揺らし、ペンライトを掲げる。


4thライブにおける未来古代楽団のメンバーは、主宰の砂守岳央を筆頭に、松岡美弥子(ピアノ)、吉田和人(ギター)、吉田篤貴(ヴァイオリン)、豊田耕三(フルート)、田中教順(パーカッション)、そして初出演となる米光椋(コントラバス)といった構成。さらに厚みを増した演奏で「醒めない夜の微睡」を奏でる中、続くゲストボーカルとしてLuciaが登場する。ボーカルが変わることによって、新たな化学変化が見られるのも未来古代楽団の魅力。「けものをつぐもの」「もろびと」「黄金」の3曲を、未来古代楽団の世界観を保ちつつ、Luciaならではの色に染めていく。


未来古代楽団による「捨てられたもの、捨てるもの」の演奏に続いては、3人目となるゲストボーカルとなるVALSHEがステージに姿を表し、「約束のプリムラ」「嘆きのアウロラ」「ライトナル」の3曲を歌い上げる。「約束のプリムラ」は、3rdライブでもVALSHEが担当したが、同じボーカルでありながら、アレンジなどの違いはもちろん、舞台設定やストーリー、さらにはオールスタンディングといった環境の変化などによって、まったく異なる彩りを見せてくれのも面白いところ。前回は安次嶺希和子とのツインボーカルで魅せた「嘆きのアウロラ」も、VALSHEのソロボーカルとなったことで、新たな魅力が引き出される。

「銀の旧約」の演奏からは、「舞踏祭に残されたのは後三曲」というメッセージとともに、いよいよ4thライブもラストスパート。4人目となるゲストボーカルの安次嶺希和子が「吸って、吐く」を歌い上げると、観客には2つの選択肢が与えられる。安らぎの“青”か苦しみの“赤”か……。冒頭で示された“青”と“赤”が物語の分岐に大きな影響を与える。決断は続く「探し人の紡ぎ歌」の後に求められる。


観客を巻き込んだインタラクティブな演出は、未来古代楽団にとっても新境地。棒状の発掘品(ペンライト)の光によって、物語の展開を観客に委ねつつ、最後は「光あれ」で舞踏祭は終わりを告げる。そして、アンコールとして、未来古代楽団の代表曲とも言える「忘れじの言の葉」が、安次嶺希和子のボーカルによって紡がれ、観客の心にライブの感動を刻み込んでいく。


ライブの出演者が勢揃いとなったエンディングパートでは、「私達未来古代楽団の旅はまだまだ続きます」という言葉を証明するように、「未来古代楽団次回ライブ開催決定」の特報が告知される。注目の5thライブのタイトルは「祝祭あるいは断章4『聖なる月と魔なる星』」で、2025年10月18日(土)に、東京・有楽町のヒューリックホール東京にて開催される。チケットの最速先行は、5月17日(土)16:30〜5月28日(水)23:59までの期間、イープラスにて受付が行われる。



なお、「未来古代舞踏祭『瞬き、やがて、永遠』」は昼夜二部公演で行われ、夜の部は「ZAIKO」でのオンライン配信を実施。配信チケットを購入することで、5月25日(日)23:59までアーカイブ視聴が可能となっている。ライブに参加できなかった人はもちろん、ライブに参加した人もあらためて未来古代楽団が描き出す世界、「未来と古代の交わる場所」を楽しんでほしい。

○●「未来古代舞踏祭『瞬き、やがて、永遠』」セットリスト



M-01. あはれなるは青キ赤 / 霜月はるか

M-02. 踊踊踊レ / 霜月はるか

M-03. フタハ / 霜月はるか

M-04. 醒めない夢の微睡みの(INST)

M-05. けものをつぐもの / Lucia

M-06. もろびと / Lucia

M-07. 黄金 / Lucia

M-08. 捨てられたもの、捨てるもの(INST)

M-09. 約束のプリムラ / VALSHE

M-10. 嘆きのアウロラ / VALSHE

M-11. ライトナル / VALSHE

M-12. 銀の旧約(INST)

M-13. 吸って、吐く / 安次嶺希和子

M-14. 探し人の紡ぎ歌 / 安次嶺希和子

M-15. 光あれ / 安次嶺希和子

M-16. 忘れじの言の葉 / 安次嶺希和子



※楽曲は昼夜同一。演出は一部異なる。()

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