国連開発計画(UNDP)が、大阪・関西万博で展示する対話型AI(人工知能)を使った女性キャラクター、ウナのイメージ(UNDP提供) 国連開発計画(UNDP)は、対話型AI(人工知能)を使った女性キャラクターを大阪・関西万博で展示する。太平洋島しょ国が直面する海面上昇などの気候変動に伴う課題を啓発する活動に使う。カンニ・ウィグナラジャ総裁補兼アジア太平洋局長が21日、東京都内で時事通信のインタビューに応じて明らかにした。
AIキャラの名前は「ウナ」。日本が全額援助するサモアやバヌアツなどでの気候変動対策事業の一環で開発された。例えば島しょ国の環境問題を質問すると、「気候変動の影響を特に受けやすく、海面上昇が土地の浸水を引き起こし、農業や水供給に深刻な影響を与えている。対応には持続可能な解決が不可欠だ」と回答。現地住民の声やUNDPの活動状況も教えてくれる。
ウナは19日からオンラインで公開が始まり、英語や日本語の質問に対応。9月末には万博の国連パビリオンで3次元(3D)ホログラム技術を用いて立体的に展示する。
ウィグナラジャ氏は、島しょ国での再生可能エネルギー導入支援事業などに対する日本の援助に触れ、「日本はかけがえのないパートナー」と評価。ウナを万博に投入して来場者との交流を促し、「環境や気候変動問題についての関心拡大につなげたい」と語った。

インタビューに応じた国連開発計画(UNDP)のカンニ・ウィグナラジャ総裁補兼アジア太平洋局長=21日、東京都渋谷区