原爆死没者名簿を開いて「風通し」をする広島市職員=22日午前、広島市中区の平和記念公園 広島市中区の平和記念公園で22日午前、原爆死没者名簿の湿気を除き、異常がないかを調べる「風通し」が行われた。市職員は原爆が投下された午前8時15分に黙とうした後、原爆死没者慰霊碑の石室に納められている名簿を取り出し、1枚ずつ丁寧にめくって保存状態を確認した。
名簿は128冊。昨年8月5日までに広島で被爆し、亡くなったことが確認された34万4306人の氏名や死没の年月日などが記され、「氏名不詳者多数」と書かれた1冊も含まれている。
これとは別に、長崎で被爆したものの、本人や遺族が広島の慰霊碑への奉納を希望した13人の名前などが記載された1冊も風通しが行われた。
今年が被爆80年になることに伴い、市は風通しに合わせて石室内を報道陣に初めて公開した。担当者は「死没者の慰霊と『ヒロシマの心』を皆さんに共有してほしい」と話した。

報道陣に初めて公開された原爆死没者慰霊碑の石室内=22日午前、広島市中区の平和記念公園

報道陣に初めて公開された原爆死没者慰霊碑の石室内=22日午前、広島市中区の平和記念公園