
「豊島屋の鳩サブレーをこよなく愛した祖母が知り合いの指物師さんに作ってもらった鳩サブレー缶の小箪笥を見てほしい。
こんなのがあと2つある!」
鳩サブレ―(※)の空き缶で作った小箪笥(だんす)がX(旧Twitter)で話題になりました。
投稿したのは、神戸市立森林植物園に勤める宮内元子さん(@fureai_miya)。鳩サブレ―の小箪笥は、今年4月に99歳で亡くなったおばあさんの形見として元子さんがもらったもの。20年ほど前におばあさんが指物師さんに作ってもらったとか。そんな小箪笥を目にした人たちから「素敵な箪笥!」と感激するコメントがたくさん寄せられています。
(※神奈川県鎌倉市に本店がある「豊島屋」の人気菓子)
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「え?引き出しの中何か入っていたのか、興味津々です」
「豊島屋さんもびっくりな素敵家具ですね」
「天才すぎる....!特に3段目は(個人的に)貴族しか買わないと思ってた巨大サイズ!!」
「なんと素敵なお祖母様 素敵な依頼をされる方とその希望を理解して無から形に出来る職人さんのコンビは私の憧れの無敵コンビ」
「え??そんなおばあ様の引き出しの中何か入っていたのか、興味津々です」
「もう豊島屋さんとコラボグッズ出しましょう!」
多くの人たちの心をわしづかみにした鳩サブレ―の小箪笥。おばあさんの形見である小箪笥について、元子さんに聞いてみました。
3段目は鳩サブレー44枚入り缶の巨大サイズ! なぜたんすに?
──おばあさんが、鳩サブレーの空き缶で小箪笥を作ろうと思ったのは。
「直接話をきいたことはないので憶測ですが、季節の贈答で毎回鳩サブレーをくださる方がいて、缶が豊作だったようです。昔の人なので小物入れとして活用しているうちに『箪笥にすればもっと使い勝手がいい!』と思い付いたのでしょう」
──小箪笥は3段ですが、缶はそれぞれ大きさが違うよう。
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「上から1段2段目は34枚入り、3段目は44枚入りの缶だと思われます」
──出来上がった鳩サブレーの小箪笥。おばあさんはとても気に入っていたようですね。
「最初は私の母が『こんなの作った』と自慢されたようです。それを孫の私も見たのですが幼いながらに『かわいいな』と思った記憶があります。母は『いいな』と言ったようで後日、同じ作りのものを1竿祖母からもらっています。他にも引き出しが1段で上が本棚になっているタイプも母のところに残っており、祖母は自分の思い付きを相当気に入っていたようです」
たんすには何が入っていた?
──鳩サブレーの空き缶を使った手作り家具が3つもあるとは!
「後から友人に指摘されて気づいたのですが、実は私もシンガポールで大量購入した紅茶の木箱を手先の器用な弟に極小箪笥に作ってもらっていたので、箪笥を作るのが好きな一族なのかもしれません」
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──また今回の小箪笥には何か入っていた?
「私や弟たち、母からの手紙をはじめ、東京に祖母が遊びに来てくれた時の写真一式、小さなアルバムにまとめられていました。このほか私たち孫が祖母にあげたお年玉のポチ袋が入っていました」
娘や孫たちの手紙や写真などが収納されていたという、おばあさんの鳩サブレーの小箪笥。これからも大切な形見として受け継がれていかれたらステキですね。
◇ ◇
各地の植物園のスタッフとして働いてきたという元子さん。家族の事情などがあり、今年4月から神戸に移住して神戸市立森林植物園で勤務しているとか。同植物園では、これからあじさいが見ごろを迎えるそうです。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)