バンクーバー・ホワイトキャップスでプレーするGK高丘陽平[写真]=Vancouver Whitecaps FC メジャーリーグ・サッカー(MLS)のバンクーバー・ホワイトキャップスに所属するGK高丘陽平が22日、日本メディアの合同取材に応じ、CONCACAFチャンピオンズカップ決勝に向けて意気込みを語った。
横浜FC、サガン鳥栖、横浜F・マリノスでプレーした高丘は、2023年2月に完全移籍でバンクーバー・ホワイトキャップスに加入。MLSで3シーズン目を迎えている。バンクーバー・ホワイトキャップスでの通算100試合出場も果たした守護神だが、現地時間6月1日(日)にはCONCACAFチャンピオンズカップ決勝のクリス・アスル(メキシコ)戦を控えている状況だ。
日本メディアを前に「久々に日本語でインタビューができて少しホッとしています」と語り出した高丘は「6月1日にCONCCAFチャンピオンズカップの決勝があり、僕個人としてもチームとしても望んでいたタイトルが目前に来ました。1週間ちょっと時間があるので、良い準備をして、しっかり結果を掴んでいきたいと思います」と意気込みを語った。
3年目のシーズンを迎えている高丘。カナダのプロチームで争われるカナディアンカップは連覇を経験している中で、今シーズンはMLS・ウェスタンカンファレンス(西地区)で13試合を戦い首位に位置。高丘は開幕から全試合にフル出場し、好調なチームを牽引している。
「僕はこっちに来て3年目ですが、核となるメンバーはそんなに変わっていなくて、それぞれの選手のコンビネーションだったり、何年もやっている中で意思疎通がとれている」とチームの状況を語る中で、「そうしたベースに加え、今年監督が代わって今までのサッカーとはやり方が変わった中で、色々なことがうまく噛み合っているかなと思いますし、監督を中心にチームを良い方向に導いていってくれている印象があります」と、イェスパー・ソーレンセン監督の下で良いチーム状態にあると現状を語った。
MLSでも好調を維持している中で、CONCACAFチャンピオンズカップでも結果を残しているバンクーバー・ホワイトキャップス。準決勝では、リオネル・メッシやルイス・スアレス、セルヒオ・ブスケッツ、ジョルディ・アルバらを擁するインテル・マイアミ相手に連勝を収めて決勝に勝ち上がった。
決勝で勝利すれば2029年のFIFAクラブワールドカップの出場権も獲得できる中「このチームに来たのもタイトルを獲りたいという目標は1つありましたし、クラブとしてもカナディアンカップは3連覇していますが、CONCACAFチャンピオンズカップは優勝したことがないので大きなチャレンジになります」とコメント。ビッグタイトルを前にして「目に見える結果を求めてやっていきたいですし、タイトルを獲るということで、個人としてもクラブとしても、成長していく過程で大事なことです。在籍期間の中でちゃんとチームに貢献したいと思っていたので、そのチャンスが目の前にあるので最高の準備をしたいと思います」と、北中米カリブ海王者になることへの強い意欲を示した。
インテル・マイアミを前にしても2戦合計5ー1と結果を残したバンクーバー・ホワイトキャップス。高丘は対戦を振り返り「一瞬たりとも気が抜けないですし、一瞬の隙をついてくるトッププレーヤーばかりだったので、頭と体の疲労感はいつも以上にありました」とトップレベルの選手たちとの対戦について言及。「ちゃんと勝ち切れたこと、個人としてもチームとしても決勝に進めたことは自信になります」と、大きな勝利だったとした。
今年29歳になった高丘。この先のキャリアについても言及し「先が長いかどうかは分かりませんが、40歳までやれても残り11年。今11年目なので折り返し地点と考えると先はそう長くないかなと思います」とコメント。「自分が後悔しないようなキャリアを歩んでいきたいですし、チャンスがあれば、MLSだけじゃなく、ヨーロッパなど色々なリーグでプレーしたいなと思います。レベルの高いところで少しでもやって、僕自身もレベルアップしたいなと思います」と、ここからのステップアップを果たしたいと意気込みを語る。
そして、高丘はMLS挑戦後にGKとしての成長も感じているという。「ポジショニング、プレースタイル、プレー選択というところは日本にいた時とは多少変わっていると思います」と語り、ユセフ・ダハGKコーチとの出会いは1つプラスだったと言及。「彼と出会えて、自分自身成長させてもらっていますし、ゴールキーピングやテクニックだけじゃなく、メンタル的な気持ちの持ちようなども指導してもらっています。彼と出会えたことは1つこちらに来て良かったことです」と、MLSでも特徴的な指導を受けていることで、自身も変化しているという。
まずは北中米カリブ海王者になることを目指す高丘だが、その先には予てから強い想いを持っている日本代表もある。「想いは変わらないですし、サッカー選手である以上、日本人である以上はそこを目指すのは当然だと思います」とコメント。「ただ、入れてくれといって入れるものではないので、自分ができることに集中して仕事を続けていきたいと思います」と、自身のパフォーマンスに集中することに言及。「(代表入りの)自信はありますし、日本代表はワールドカップ優勝を目指しているグループではありますが、そういった中に入っても恥じないような、そこにちゃんと貢献したいなという思いではあります。他にも素晴らしいGKはいるので、まずは自分は自分の仕事をしたいなと思います」と、アピールし続けることが大事だと言及。まずは、CONCACAFチャンピオンズカップを制し、結果でアピールしていきたい。