空自機墜落 搭乗員2人の死亡確認 主翼後部の一部などを回収

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2025年05月22日 21:19  毎日新聞

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毎日新聞

墜落した航空自衛隊T4練習機の飛行経路(イメージ)

 航空自衛隊のT4練習機が愛知県犬山市の入鹿(いるか)池に墜落した事故で、空自は22日、墜落現場で発見されていた人体の一部が安否不明の空自隊員2人と判明し、いずれも死亡を確認したと発表した。


 墜落機に搭乗していたのは、新田原(にゅうたばる)基地(宮崎県)の第5航空団第305飛行隊に所属する井岡拓路1等空尉(31)と網谷奨太2等空尉(29)。DNA型鑑定などで身元を特定し、死亡推定時刻は離陸から約2分後、14日午後3時8分と判明したという。死因は明らかにしていない。


 空自トップの内倉浩昭航空幕僚長は臨時の記者会見で「可能性に満ちた若い仲間を失った。言葉に表せないほどの悲しみを感じている。今はただ、翼を休めてくださいと祈るばかりです」と述べた。


 墜落現場の捜索では新たに、エルロン(補助翼)やフラップ(高揚力装置)といった主翼後部の一部や、水平尾翼と推測される残骸を回収。池の底に沈んでいる別の残骸も見つかり、空自は22日、引き揚げに向けて民間のサルベージ関連会社に手法や費用の見積もりを依頼したことも明らかにした。関係者によると、大きさからダイバーによる回収が困難という。


 2人が搭乗したT4は14日、新田原基地に戻るため愛知県営名古屋空港を離陸し、約13キロ離れた入鹿池に墜落。ある自衛隊幹部は「市街地への被害を防ぎたい一心で、何とか池まで飛行させたのではないか」とおもんぱかった。【松浦吉剛】



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