写真 2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(39歳・以前は小林悠として活動)。
TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。
第35回となる本記事では、アンヌさんが最近はまっている「チプパト」について綴ります(以下、アンヌさんの寄稿)。
◆最近ハマっている“チプパト”
あの高級ブランド、エルメスに日参する「エルパト」という言葉がありますね。
一方で、今年40歳になる私はエルパトならぬチプパトにはまっています(ちなみに私はエルメスにはもう何年も足を踏み入れていません)。
それは……「プロ野球チップスパトロール」。選手のトレーディングカードがついてくるあのポテトチップスに猛烈にハマっております。
1985年生まれの私にとって、ポテトチップスにカードがついてくる仕組みそのものに懐かしさがこみ上げてきます。例えばJリーグチップス。同世代の方、買ってませんでした?
私が小学校低学年くらいのとき、日本ではJリーグが開幕。ヴェルディやアントラーズなどのチームがかなりの人気を集め、もちろん今も人気ですが現在とはまた違った熱狂ぶりがありました。
三浦知良さんやラモス瑠偉さんなどはスポーツニュースのみならず連日マスコミを賑わせていた記憶があります。すごかった。
そしてそのときに発売されたのが、選手のトレーディングカードつきのJリーグチップス。
◆野球観戦帰りに発見した山積みの「プロ野球チップス」
わが家でも近所のスーパーで親に買ってもらっていた記憶があります。しかしそのうちJリーグチップスのカードおよびカード交換人気に爆発的な火がついてしまい、付属のカードは盗難防止のため購入後サービスカウンターでもらうなんて形に発展したこともありましたっけ……。懐かしい。
私がお菓子についてくるカード目当てにこうして買い物をするのはそのとき以来だから……もう30年ぶりということ。恐ろしい。
以前、こちらの連載でもお話しましたが私は北海道に帰ってきて、北海道日本ハムファイターズのファンとなり、最近ではエスコンフィールドの近くに住んでいるのではないかと周囲から思われるほど頻繁に球場に足を運ぶようになりました。
先日もファイターズ対楽天戦(5月11日)の応援帰り、4対0の快勝でルンルン気分の私は北広島市内のコンビニに立ち寄りました。そのとき……「2025プロ野球チップス」が山積みになっていることに気づいたのです。
今さらながら、こんな楽しすぎるポテトチップスがこうして売っているのかと感激した私。嬉しくなって何袋か買って帰ったのでした。購入したのは、セ・リーグとパ・リーグの選手が1枚ずつ、計2枚のカードが付いてくるタイプのもの。
◆1袋目を開けてみるとまさかの選手が!
12球団分の選手のカードがランダムで付いてくることだし、奇跡的にファイターズの選手が誰か入っていれば、それはもう万々歳だなくらいの気持ちで、何の気なしに1袋目を開けてみたところ……。
敬愛して止まない郡司裕也選手がバーンといきなり飛び出したではないですか!(郡司選手のサヨナラホームランをエスコンで目の当たりにして狂喜乱舞した話は過去記事をご覧ください)
こんなことありますか?! ちなみにファイターズに関しては、基本的に「箱推し」(全員好き)のスタンスではありますが、特に推したいと僭越ながら公言させていただいていたのが、清宮幸太郎選手と郡司裕也選手。
初めてプロ野球チップスを買って、初めてカードを開けてみたら、なんとなんと推しが飛び出したという。この爆発的奇跡に私は絶叫および熱狂。
自宅で1人「当たった!!! え〜!?」と小躍りでは済まないくらい盛り上がり、愛犬のゴールデンが何事かと起き上がってこちらまで様子を見に来たほどでした。
よし、この調子でと購入した残り分を開けてみましたが……。申し訳ありません。私はパ・リーグ専門なので、セ・リーグの選手分はちょっとリアクションに困ったり、あとパ・リーグであっても、やはり推し球団の選手じゃないと申し訳ないけど、あんまりテンション上がらない。
あのときの「推しの奇跡」を狙って、私はコンビニでプロ野球チップスが売られているのを発見するたびに購入しているのですが……あれからは(私的に)鳴かず飛ばず(すみません)。あれはいったい、何だったのでしょうか。
◆食べきれないほどのポテトチップスが
そして皆様、お気づきの通り、私の手元には大量のポテトチップスが集まってきているのです。当初はナイターの際、お酒のお供としてつまんでいましたが、それでも限界を感じるくらいの量が我が家に。
もうこうなったらポテトチップスをおかずにしようと思い立ち、スペイン風オムレツの要領で、プロ野球チップスを砕き、炒めた茄子やトマトと一緒にオムレツにするアレンジレシピを最近は楽しむようにしています。
これがね、実は美味なんですよ! しっかりとした下味がついていて、しかも油を使う必要もない。実はポテトチップスっておかずとしての可能性が結構ある! なんて実感しながら日々過ごしております。
まさかアラフォーにしてこんなに頻繁にプロ野球チップスを買う日が来るなんて。開ける瞬間のあのドキドキ感。最高のエンターテインメント。
ちょっと皆さん、ポテトチップスのアレンジレシピ、割と真剣に募集しております。
もう最近では私の体の半分はポテトチップスでできていると言っても過言ではないかも……。買い続けるのです。ファイターズ選手が集まるまで。
<文/アンヌ遙香>
【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne