かつてユヴェントスで共闘したデル・ピエロ氏(左)とカペッロ氏 ※2005年4月撮影 [写真]=Getty Images 現役時代にユヴェントスやイタリア代表で活躍したアレッサンドロ・デル・ピエロ氏が、21日(現地時間)にUEFAプロライセンスを取得。欧州サッカー連盟(UEFA)が認定する最上位の指導者資格を取得したことで、デル・ピエロ氏はトップリーグのクラブや代表チームの監督を務められるようになった。
イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』は、ユヴェントス時代(2004〜2006年)にデル・ピエロ氏を指導した経験があるファビオ・カペッロ氏にインタビューを実施。同紙が22日(現地時間)に伝えたところによると、「かつての教え子が指導者の道に進むことを想像していたか?」と問われたカペッロ氏は「ああ、彼は昔からずっと頭が良かったからね」と答えた。
「彼には個性があるし、英語も流暢だ。それに、物事を急ぐタイプではないしね。現役を引退した後も、すぐに新しいキャリアに飛び込んだわけではなく、広報の仕事や解説もやっていた。彼は常に品格があり、冷静で、プロ意識を持っているんだ」
ユヴェントスファンの中には、早くもかつての背番号「10」が指揮官としてクラブに帰還することを待ち望んでいる者も多い。だが、カペッロ氏は「とにかく焦らないことだ」とアドバイスを送る。
「まずはユースチームの指導から始めて、着実にステップアップしていくのがいいだろう。アンドレア・ピルロに何が起きたか思い出してみてほしい。彼のために敷かれた道、つまりはユヴェントスU-23を最初の行き先としたのは正しかったのだ。しかし、その後彼はまだ経験が浅いにも関わらずいきなりトップチームに昇格することになり、2つのトロフィーを獲得したものの、クラブを追い出されてしまった」
現役時代の終盤にユヴェントスでプレーしたピルロ氏は、2020年7月にユヴェントスのU-23チームの監督に就任。だが、前監督マウリツィオ・サッリ氏の解任を受け、U-23チームの監督就任からわずか10日ほどでトップチームの監督に電撃就任した。結果的に、ピルロ氏はトップチームでコッパ・イタリア(2020−21)とスーペルコッパ・イタリアーナ(2020)を獲得したものの、セリエA10連覇を逃したこともあり、2021年5月に解任されている。
カペッロ氏はデル・ピエロ氏に、周囲から急かされる形でトップチームを率いて“失格”の烙印を押されたピルロ氏の二の舞を踏んでほしくないと考えているようだ。