TM NETWORK“Get Wildの日”に見せた最先端ライブエンターテインメント【ライブレポート】

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2025年05月23日 19:00  ORICON NEWS

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ライブ『TM NETWORK 2025「YONMARU+01」』の模様 PHOTO:Kayo Sekiguchi / Makiko Takada
 昨年デビュー40周年を迎えたTM NETWORKが、アニバーサリープロジェクトの締めくくりとして行った横浜アリーナ2Days公演(4月8日、9日)の模様が、31日午後9時からWOWOWで独占放送・配信される。それに先駆けて、同公演のライブレポートが届いた。

【ライブ写真多数】“Get Wildの日”に開催された白熱のライブ!メンバーのソロショット

 2021年に「再起動」を掲げて活動を再開して以来、TM NETWORKは『FANKS intelligence Days』と題したツアーシリーズを展開。3年間で40公演というロングランを完遂し、大晦日にはファンへの感謝を込めた一夜限りのライブも開催。今年は『YONMARU+01』と題した最新ツアーをスタートさせ、その最終地が4月8日、9日の神奈川・横浜アリーナ公演だった。日本記念日協会が正式に認定した“Get Wildの日”当日とその翌日である。

 ステージ後方の巨大スクリーンに朝日が昇る映像が流れ、艦内にいる小室哲哉、宇都宮隆、木根尚登の姿が映し出される。やがてエレベーターから舞台に降り立ち、現実の3人が登場するまでの導入は、仮想と現実が融合する壮大な演出で観客を引き込んだ。オープニングナンバーは新曲「We Can’t Stop That Way」。続いて、木根のギターが響く「金曜日のライオン」、セカンドアルバムから「永遠のパスポート」が披露され、初期から最新までをひとつなぎにするような構成で展開されていく。

 2002年の「Castle In The Clouds」では、混沌とした現代社会に寄り添うメッセージが響く。“予言者”と称されるTM NETWORKの楽曲は時を経て、その本質がより明瞭になる。続くアルバム『QUIT30』(2014年)のパートでは、紛争や災害といった現実がビジュアルとリンクし、「Alive」では分断を越える想いが力強く放たれた。プログレッシブな組曲「The Beginning Of The End」三部作では、投影された歌詞とともに壮大な世界観が構築され、小室のシンセが情感を深く掘り下げた。

 中盤には3人の地元・三多摩地区での映像を背景に「Show My Music Beat」を披露。互いに寄り添い演奏する姿がオーディエンスの胸を打つ。「Good Morning Mr.Roadie」ではスタッフの名前が次々と浮かび上がり、温かな感謝の気持ちが届けられた。クールなイメージが強いTM NETWORKだが、根底にある人間的なぬくもりが、観客を優しく包み込む。

 終盤に向け、「LOUD」「Dive Into Your Body」といった代表曲が、今のサウンドにアップデートされた形で演奏された。アカペラから始まる「Screen Of Life」では、歌詞を通して現代社会へのステイトメントを強調。「EVOLUTION」では教会音楽のような神聖な旋律が響きわたり、祈りにも似た希望のメッセージが昇華された。

 そしてクライマックスには、「Resistance」「Get Wild Continual」「Self Control」など、誰もが知る代表曲が立て続けに披露された。ただし、単なる懐メロではなく、新たな演出や映像技術によって、楽曲の持つ奥行きが再構築されていた。

 最後に披露された最新シングル「Carry on the Memories」では、3人の声がひとつとなり“続けていく”という決意が込められた。インスト曲「Last Encount」の中で3人の姿が粒子となって消え、スクリーンに映る太陽が静かに沈んでいく。日常の尊さと儚さがそこには重ねられていた。

 クラシック、プログレッシブロック、エレクトロ、フォーク…ジャンルの枠を越えた音楽性と、深い思想性をともなう演出。そのすべてが融合した最先端のライブエンターテインメントは、40周年の締めくくりにふさわしい圧巻のステージだった。

■TM NETWORK 2025『YONMARU+01』セットリスト
M01. +01
M02. We Can’t Stop That Way
M03. 金曜日のライオン
M04. 永遠のパスポート
M05. Castle In The Clouds
M06. Alive
M07. Birth
M08. The Beginning Of The End
M09. The Beginning Of The End II
M10. The Beginning Of The End III
M11. Show My Music Beat
M12. Good Morning Mr.Roadie
M13. LOUD
M14. Dive Into Your Body
M15. Screen Of Life
M16. TK Solo
M17. EVOLUTION
M18. Resistance
M19. Get Wild Continual
M20. Prologue
M21. Self Control
M22. Carry on the Memories
M23. Last Encount

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