USJの隣の“地味な駅”が一転…今は万博の“玄関口”に 「桜島駅」ってどんな駅? 駅が移設された理由と、“可動スロープ”実証実験に注目集まる

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2025年05月24日 08:20  まいどなニュース

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桜島駅から万博へのシャトルバスが出発する

大阪・関西万博の玄関口のひとつがJRゆめ咲線(桜島線)の桜島駅です。桜島駅から万博会場の夢洲行きシャトルバスが発車します。桜島駅は、普段はUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)の最寄駅であるユニバーサルシティ駅の隣駅として、ひっそりとしています。しかし、調べるとなかなかおもしろいネタを持つ駅でもあります。

【写真】ホームと列車の隙間を自動で埋める…「可動スロープ」の実証実験が行われています

そもそも、なぜ「桜島」なのか

そもそも大阪市の桜島は、「島」ではありません。あくまでも、大阪市此花区の町名です。桜島という地名の由来は、新田を守るために築かれた「桜堤」と、当地の埋め立て権者の姓「島」を組み合わせることによるものです。鹿児島県の桜島とは関係ありません。

ところで、西九条〜桜島間は「JRゆめ咲線」という愛称が付けられていますが、正式名称は「桜島線」です。「JRゆめ咲線」の使用がはじまったのはUSJが開園した2001年のこと。それまでは工場への通勤路線の性格が強かったのですが、レジャー路線になったのと同時に「桜島」という地名の存在感が少し薄くなりました。

今の桜島駅と昔の桜島駅とは位置が異なる

桜島駅は1910年に開業し、今年で開業115年を迎えます。一方、現在の桜島駅に落ち着いたのは1999年のこと。それ以前の桜島駅は現在より少し北にありました。実はUSJの建設に伴い、安治川口〜桜島間は南へ約250メートル移設することに。1999年に移設が完了し、旧駅舎があったところはUSJの敷地になっています。

ちなみに、私は1999年以前の旧駅舎時代の桜島駅を訪れたことがあります。駅周辺は工業地帯で、日中はひっそりとし、小学生の自分にとっては少し怖く感じました。それが今ではUSJというテーマパークなのですから、大阪ベイエリアの発展ぶりには驚きを禁じえません。

なお、現在の桜島駅周辺には、2019年に開業した大阪最大級のホテル「リーベルホテル大阪」があり、駅周辺も旧駅舎時代とはまったく異なります。

人に優しい桜島駅

桜島駅では万博開催に合わせ、2025年4月21日から可動スロープの実証実験を行っています。これは列車が到着すると、ホームに収納されているスロープが自動で張り出し、電車とホームの間のすき間を埋めるものです。

可動スロープは全乗り場に設置されているわけではなく、1・2番のりばの足元〇7付近にあります。桜島駅以外では新大阪駅2番のりばの△2付近に設置されています。

このように桜島駅は少し地味な都会の終着駅でありながら、興味深いネタを持つ駅でもあります。今後の夢洲の発展如何により、桜島駅の様相も変わるのではないでしょうか。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)

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