ハイエースの中にさえ入ってしまう車体サイズとその可愛らしいデザインによって、Instagramで一躍人気を集めたクルマがあります。
それがミニカー「mibot」です。車両の値段もなかなかお手頃という現代に適した「mibot」について、今回ねとらぼでは、開発元であるKGモーターズに話を聞いてみました。
●「ハイエース」の後部座席にmibotが侵入!
mibotが話題を集めたのは、4月20日に公開された動画です。こちらではトヨタ「ハイエース」の後部座席に、スルスルと乗り上げるmibotが登場。車両を停止させると、運転手も横の隙間からサッと出てきてしまいます。
|
|
動画を見た人からは「これは面白い」「乗ってみたいです」「マトリョーシカじゃん」といった声が続出。中には「首都圏部の駐車場事情にも一役かいそう」と、具体的な利用を想像する人もいました。
●かわいらしさMAXな「mibot」とは?
そんなmibotは「小さなボディに驚きと楽しさを詰め込んだ小型モビリティロボット」となる1人乗りのミニカーです。驚くべきは全長2490mm×全幅1130m×全高1465mmという、小ささでしょう。
参考までに、街でよく見かけるホンダの軽自動車「N-BOX」が全長3395mm×全幅1475m×全高1815mmです。そのため、サイズ感としては「N-BOXよりさらに一回り小さいクルマ」といえるでしょうか。そりゃ小さいわ。
パワートレインにはモーターを使用。最高速度は時速60キロ、航続距離は100キロ。また、車体価格も普通車よりずっと安い110万円に抑えています。
|
|
●「軽自動車でさえ過剰なスペック」を打ち壊すモビリティ
小さな車体に、モビリティとしての魅力をぎゅっと詰め込んだmibot。KGモーターズによれば、その原点は代表・楠氏の生まれ故郷である広島県呉市にあるそうです。
戦前からの軍港として知られる呉市は、日常的な車の取り回しにも苦労するほど道幅が狭かったとのこと。そのため、幼心から「もっと小さくて取り回しやすい車があればいいのに」と思ったそうです。
さらに大人になると、軽自動車でさえ過剰なスペックになっているケースがあるように感じたという楠氏。その結果「人が本当に必要としているサイズのクルマを再定義すれば、環境にも優しく、新たな市場をつくることができる」と考え、開発を始めたそうです。
●ターゲット層は地方の家族と法人需要
|
|
mibotは主に2つのユーザー層をターゲットとして想定しています。
1つがファミリーカーと軽自動車の2台持ちをしている地方の家族世帯に対する需要。父親が軽自動車で通勤していた場合、実際に乗っているのはいつも1人。移動ルートも短く、既存のクルマではオーバースペックとなります。
もう1つが、営業・配達・点検業務などに軽バンや軽乗用車を使っている法人需要です。1人で回る業務であれば、軽自動車でもやはりオーバースペックとなる場面は多いはず。にもかかわらず、保有する車両は複数台にならざるを得ません。
mibotであれば、そうした需要に適切なスペックで対応できます。また「原付ミニカー」という分類に属したことで、車庫証明が不要に。駐車スペースも小さく済ませられます。
●徹底的な軽量化で坂道も走行可能
ただし、原付ミニカー規格のため、定格出力は0.6kW以下に制限されていました。
この限られたパワーで坂道を登るため、一般的な小型モビリティに多いパイプフレーム構造ではなく、モノコック構造を採用。強度を確保しつつ、部品点数を減らすことで、車体重量430キロを目指しています。
2025年10月からは量産や納車も始まるとのこと。とはいえ、納車後もハードウェアやソフトウェアの継続的なアップデートを実施し、「暮らしの相棒」として進化し続けるモビリティを目指すそうです。
●投稿動画は「多くの人の印象に残ったと感じています」
最後に投稿動画への反響を聞くと「“車が車の中に入っていく”というインパクトのあるシーンに、多くの方が驚きやワクワクを感じてくださり、大きな反響をいただきました』とよろこびの反応を見せてくれました。
また「“ハイエースの中にすっぽり入るクルマ”と聞いただけでは想像がつかない方も多いですが、動画によって“このクルマ、本当に小さいんだ”“なんだか楽しそう”と、直感的に伝える」ことができ「多くの人の印象に残ったと感じています」とも述べています。
2025年現代だからこそ、モビリティとしての魅力を放つmibot。その今後の活躍に期待したいところです。
画像参照:mibot【KGモーターズ】
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 ITmedia Inc. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。