涙の数だけ強くなる!スーパー高校生・久保凛が見せた確かな成長「800mで世界で活躍する」

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2025年06月14日 06:00  TBS NEWS DIG

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7月に行われる広島インターハイへの切符をかけた近畿地区大会が12日から15日までの4日間、京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)で行われている。何といっても注目は、去年7月に800mの日本記録1分59秒93をマークした東大阪大敬愛高校の3年生、久保凛(17)だ。13日の1500mでは高校歴代2位の4分11秒07で優勝。去年8月に出していた4分13秒75の自己ベストを2秒以上更新する圧巻の走りだった。

【写真】久保選手の後輩、双子の結都さんと莉都さん

専門外でも異次元の走りを見せる17歳だが、本職の800mでは、5月3日の静岡国際で、2分00秒28のセカンドベスト、31日に韓国で行われたアジア選手権では、シニアデビュー戦で2分00秒42で銀メダルを獲得した。去年のこの時期2分3秒〜5秒の記録と比べても確実に力が付いている事を久保も実感している。

久保:ウォーミングアップの2000mやジョグのベースが余裕を持って上げられているなと感じて、そこの余裕がスピードでも生きてきているのかなと感じるので、その部分が良い部分かなと思います。今はまだ2分0台というところなので、しっかり2分を切れるように日本選手権ではしたい。今調子が凄くいいなと体の感覚でも感じるので、それ以上に練習からもレベルを上げていけるようにしたいなと思っています。

アジア選手権前には、長野の菅平で高地合宿を行い、酸素が薄い地で通常のペースよりも速く走り、呼吸の面でもレベルを上げる練習をしてきたという久保。

久保:自然が多いところで生活して、朝の散歩も清々しい気持ちになれますし、良い気持ちで取り組む事が出来ました。山を降りて20分ぐらいのところに温泉があるんですけど、めっちゃリフレッシュ出来ています。

最終学年で部のキャプテンとして、最後の近畿予選、インターハイに臨む久保。普段から陸上に真摯に取り組む姿勢は、後輩からの尊敬を集める。1学年下、双子の長谷川姉妹は次のように語る。

姉・莉都:何をする時も素早くて、自分に話してくれる時も優しくしてくださる先輩です。すごく尊敬しています。

妹・結都:練習でも積極的にチームをまとめてくださったり、試合前に応援メッセージをくださったりして、とても憧れる存在です。

17歳にして、久保の前を走る存在は日本にはいない。自らが出した日本記録の1分59秒93、そして9月開幕の東京世界陸上参加標準記録1分59秒00を切る事を久保は常々口にしてきた。去年7月に日本記録を出して以降、優勝しても自己ベストを更新出来ない悔しさで涙が頬を伝うシーンが何度か見られた。それでもレース後はメディアの質問にひとつひとつ丁寧に応じる姿があった。涙の数だけ強くなる、そのために今も大切にしている心構えがある。

久保:記録を出さないといけないっていう気持ちがすごくあって、初心の「陸上を楽しむ」心を忘れてしまっていた部分があったんですけど、やはり初心に戻って陸上を楽しむっていう部分が大切かなっていうふうに野口先生と話した時に、改めて気付いた部分があって。陸上を楽しんで取り組めるっていう部分が、自分のいいところだと思います。まだ世界とは壁があると思うんですけど、800mで世界で活躍するってことは、すごく自分が目指している部分なので、しっかり自分がやり遂げたいなっていうのは思っています。

■久保凛(17)
2008年1月20日生まれ、和歌山・串本町出身。潮岬中〜東大阪大学敬愛高。身長168.1cm。小学6年生までは、サッカークラブに所属し、中学から本格的に陸上競技を開始。3年時に全日本中学陸上女子800mで優勝。24年日本選手権女子800m決勝でも2分3秒13で初優勝。7月15日の関西学連・長距離記録会(奈良・橿原公苑陸上競技場)で1分59秒93の日本新記録をマーク。05年に杉森美保が記録した2分00秒45を上回り、19年ぶりの記録更新。日本女子初の2分切りを果たす。

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