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人気グループ嵐の二宮和也(41)が42歳の誕生日の17日に初の新書「独断と偏見」(集英社新書)を刊行する。
付き合いが長い担当編集者の取材を受けた言葉をまとめた書の中で「いま、いちばん会ってみたい人は?」と聞かれ、19年に死去した前所属事務所社長のジャニー喜多川氏と即答。同氏の一連の性加害問題を受け、23年10月に独立したことを踏まえ「自分が大事にしていた事務所、居場所を奪った」「誠心誠意をこめて謝ってもらいたい」と続けた。活動再開を発表した嵐への思いも語った、刊行にあたり取材会を開き、真意を話した。【取材・構成=村上幸将】
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「独断と偏見」は、09年から19年まで「MORE」で連載した「二宮和也のIt【一途】」担当編集者の野呂望子さんと、昨春から約1年かけて作った。ステージ4のがんが発覚した野呂さんから「あなたの言葉をよく思い出すし、頑張れたので、お守りとして1冊にしたい」と打診されたことがきっかけだった。
昨年4月から毎月、1つの4文字熟語をお題に心中を語った。新書を選んだ理由について「芸能人が考えをまとめる時は自叙伝が多いけれど、自分の思い、考えを信用し今の俺がいる、という感じが自分にはない。客観的に二宮和也はこう思っていると言える立場になれるかと」と説明した。
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ビジネス論から人付き合いまで語っているが、印象的なのは、やはりジャニー氏に対する言及だ。文中では「ジャニー」「ジャニー喜多川」と表現し「事務所をつくった人間でもあるけど、壊した人間でもあるから」と評した。一連の内容を、取材会の質疑応答で聞かれると「あの人が人様に迷惑をかけずに生活してくれていれば、僕が所属した事務所はなくならなかったし、僕がこういう道をたどることもなかった。でも、あいつは何も言わないんだよな。何だかな…と」と答えた。「生きてる時からケンカもしたタイプだから自由に出てきた(言葉)。完全に偏見ですけど、そう(謝罪)してもらいたいタレントはいっぱいいたと思う」とも話した。
ジャニー氏が生きていたら、どう答えるか? と質問を受けると「謝るんじゃないですか。そういう、ある種のピュアさがあったからこそ大きくなった会社だと思うし自由さを与えた人だと思う」とした。被害者に配慮し「世間様で言われる問題でも謝って欲しい」とした上で「その前に1対1で話ができたら…死んじゃってるんで何とも言えないですけど」とも続けた。
同じく新書で、嵐についても「全員の気持ちがひとつになって『やろう』って動かないと、皆が見たいものにも僕らがやりたいものにもならないだろうし」と言及。「『嵐の二宮和也』であることは念頭にある。でも、それをずっと考えているかって言うと、考えていない」とも語っている。
図らずも5月6日に来春のコンサートツアーに向けて再始動し、終了をもって活動を終えると発表した後に出版される。二宮は取材会で「誕生日に出そうと決めて動いたら、嵐が再開みたいな…ビックリしました。みんなと会ってコンサートをどういう形、タイミング、どこで、いつ…と話している状態」と説明した。
そしてジャニー氏への思いも含め「別に活動を再開しても、向こうの事務所に在籍していたとしても普通に書いていた。野呂さんの後ろに何人も聞きたい人が待機していると考えても、マイルドにするより純度高めの方が分かってもらいやすいかな」と伝えた。
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