二宮和也(41)が42歳の誕生日の17日に初の新書「独断と偏見」(集英社新書)を刊行する。付き合いが長い担当編集者の取材を受けた言葉をまとめた書の中で「いま、いちばん会ってみたい人は?」と聞かれ、19年に死去した前所属事務所社長のジャニー喜多川氏と即答。同氏の一連の性加害問題を受け、23年10月に独立したことを踏まえ「自分が大事にしていた事務所、居場所を奪った」「誠心誠意をこめて謝ってもらいたい」と続けた。活動再開を発表した嵐への思いも語った。刊行にあたり取材会を開き、真意を話した。【取材・構成=村上幸将】
◇ ◇ ◇
二宮は、アイドルとして出版する写真集や、グラビア中心の形ではなく、文字ベースの新書を出版したことについて「1枚ずつ、撮り下ろしの二宮がいたらジャマかな。新書だからこそ、言葉で立体化することを(担当編集者の野呂望子さんは)考えていらっしゃったと思うし、成功したかなと」と語った。「僕の生活している層、ゾーンが文字ベース。台本も文字で捉えていた人生…インスタグラムよりもX。選択肢として写真集を出すより、文字ベースがしっかりしているというのもある」と語った。
動画で表現が可能な中で文章、文字で出すメリット、デメリットは? と聞かれると「あまり考えてなかった」と口にした。その上で「いろいろな情報が取れる時代に、そぎ落として言葉と対峙(たいじ)するのは割と贅沢な時間。読む時間を得ることが贅沢につながると思っている、その1つのアイテムにつながれば? と思います。小説も何でも、そうですけど」と続けた。そして「僕がいまだ、そうではあるんですけど、紙をめくらないと頭に入ってこない。めくる時に、初めて言葉が入ってくる感じがする。本は、それがいいかなと」と笑みを浮かべた。
できあがった新書の感想を聞かれ「ビックリしたんですけど、こんなこと、しゃべってたんだ、というのが第一印象でして」と率直な感想を口にした。その上で「言っていることは、昔から変わっていないのかな? いろいろなところで何回か、言ってきたフレーズもあったし、今回、初めてと言おうかなと思うものもあって。でも、その2つが、かけ離れているかと言うと、そうでもなく、1本のラインは捉えているんだなと思うことができました」と続けた。
|
|
第三章「温故知新」の中では、芝居について「『うまい』は趣味嗜好によるけど『へた』っていうのはなぜか皆、一緒。だとすると『へた』がなんたるかを教えたほうが、『やろうとしていたな、危なかった』っていう自分の気づきになるよね」などと語った。その上で、後進への指導について「こういう筋肉をつけすぎるとよくないよ、って教えたほうが、その子のためになる気がする」と語っている。
その点について「読んでいて、そうか、そうかと新鮮な感じで読み進めていけた。何となく思ったことを言っていて、まとめた時、言い得て妙だなと」と口にした。「言語化できたのかな。言いたくて言えなかった、環境が違って言えなかったということではなくて、聞かれたことによって整理できた印象です」と、自らの脳内にあったことが、文字になったことに新鮮さを感じていると口にした。
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。