セルティックで今季33ゴールの前田大然 ゴール後のヒザスライディングは「息子の影響」

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2025年06月18日 12:10  webスポルティーバ

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前田大然×林陵平対談 前編

 今季スコットランドリーグMVPを獲得した前田大然と、解説者のトップランナーとして活躍し、スポルティーバYouTubeチャンネルでもお馴染みの林陵平氏が対談。ふたりは2017年に水戸ホーリーホックで2トップを組んでいた仲だという。林氏が前田のセルティックでのプレーのことを聞いた。

【動画】前田大然&林陵平対談 スコットランドリーグ総括&サッカー日本代表を語る↓↓↓

【無意識に体が動いている】

 今シーズン、リーグ4連覇おめでとうございました。

前田 ありがとうございます。

 今季のセルティックを振り返ってみてどうでしたか?

前田 最後にスコテッィシュカップを3連覇するチャンスがあったんですけど、負けちゃってシーズンが終わったので、そこだけはすごく悔いが残るシーズンでした。

 でもリーグとしては4連覇。そのなかで今季はゴール数がすごかったですよね。51試合33ゴール11アシスト。

前田 ゴールもそうですけど、アシストが増えたので、そこも個人的にはすごいよかったかなって思います。

 何が変わったとかはありましたか?

前田 いや、特に変わったとかないんですけど、今までやってきたことをずっとやってきて、それが実になったかなっていう。

 今シーズンは4−3−3の3トップの真ん中でプレーすることもあったし、ウイングでプレーすることもありましたけど、自分としてはどっちがやりやすいんですか?

前田 まずは左(ウイング)でスタートして、ちょっと相手が疲れたぐらいでフォワードに移るのがいいかなって。やっぱり結構スペースができるので。監督に「フォワード(トップ)に変えてくれ」と思いながらやってました。

 得点パターンとしては、いろんな形があったと思うんですけど、自分が一番得意なのはどんな形でした?

前田 まあ、もうゴール前に突っ込む。それが自分の持ち味かなと。

 特にこぼれ球の反応とかに関しては、すごく集中力が上がったかなと。常によりゴールに飢えてるなっていう感じがしたんですけど、そのあたりは意識的にやっているんですか?

前田 いや、もう無意識ですね。

 無意識?

前田 はい。コーチと1対1でミーティングする時に、(自分の)ゴールシーンとかを見るんですけど、ひとりだけなんかもう動きが違っていて。試合をやってる時は別にそんな感覚はないんですけど、映像見るとなんかこいつすごいな! みたいな(笑)。

 いや、すごいですね。じゃあ、ボックス内で空中に浮いたボールを反転してボレーを決めたシュートとかありましたけど、あそこはもう本能で?

前田 本能ですね。でもチームで決まりごとはあって、それができないとやっぱり試合には出れないですけど。まあ、それを無意識でできているのは僕の強みかなって。

 日本代表とかでも守備の部分がすごく評価されていますが、セルティックでもそこはかなり意識していますか?

前田 いや。それも意識していなくて。ボールを取られたら、もう無意識に体が......。最終ラインでも戻るみたいな、そういうのはもう勝手に意識づいてるかなっていう。

【チャンピオンズリーグで強いと感じたのは......】

 常に仲間のために走り続けると。さすがですね。

 あとは、チャンピオンズリーグ。今シーズンはバイエルン相手にもゴール決めましたね。そこはどう思っていますか?

前田 もっとチャンスはあったんで、もっと点を取れたなっていうのはあります。

 どの相手が強かったとかはありますか?

前田 個人的にはアタランタ。

 おお、アタランタ。

前田 すごい強いチームやなって思いました。あまり隙がなかったなと。バイエルンとかドルトムントは、強いんですけどどこかで隙があるなって思ったんです。でも、アタランタはちょっと隙がない感じでした。

 アタランタは、基本的に守備はマンツーマンですよね? 対峙した相手は誰だったんですか?

前田 でっかい選手です(笑)。まあ、スピードで勝てるシーンがあって、やれるなっていうのは正直ありましたけど。

 マンツーマンで来る相手は、なんかちょっかいとか出してくるんですか? わざと体を当ててきたりとか。

前田 いや、チャンピオンズリーグとかでは逆になくて。スコットランドでは結構あります。

 厳しく引っ張ってきたり?

前田 はい。

 でも、そんなのも元々あまり気にしないというか。

前田 そうですね。まあ、でもちょっとムカつきます(笑)。

【ゴール後の"ヒザスラ"は息子の影響】

 今シーズンのチャンピオンズリーグは新しい方式に変わりましたけど、そこに関してはなんか感じたことあります?

前田 試合数が単純に増えたんで、上に行くチャンスが増えたというのはあったかなと思いますね。

 あとはいろんなチームとできる。

前田 そこはうれしさのほうが(大きい)。いろんなチームとできるようになったので、それはすごくよかったですね。いろんなところにも行けるし。

 アウェーで対戦した国でイメージが残っているところはありますか?

前田 イタリアはハムがめっちゃ美味しかったですね。試合前日の夜にホテルで食べたものですが、グラスゴーで食べているのと全然違いましたね。

 前日にいっぱい食べちゃったんですか? 大丈夫でした?

前田 全然大丈夫でした。まあ、次の日の試合は夜だったんで。

 あと、今シーズン。レンジャーズとのオールドファーム(ダービー戦)では3点も取りました。あのダービーの雰囲気はどうですか?

前田 もう別格ですね。

 で、得点を決めたあと、最近のゴールセレブレーションは結構ヒザ滑りしてない?

前田 はい、してます。よく見てますね。

 いや、もちろん。

前田 あれは、息子が家でめっちゃヒザスラをしていて。その影響で俺もできるかなって。ちょっとやってみようと思ってやったら、意外に簡単だったので。それからやるようになりました。

 海外の芝って結構濡れてるし、あれは結構滑る?

前田 滑ります。

 気持ちいい?

前田 気持ちいいですね。

>>後編「サッカー日本代表で仲のいい選手は?」につづく

前田大然 
まえだ・だいぜん/1997年10月20日生まれ。大阪府南河内郡太子町出身。2016年に松本山雅でプロデビュー。2017年は水戸ホーリーホックでプレー。2021年に横浜F・マリノスで得点王を獲得。2022年からスコットランドリーグのセルティックでプレーし、2024−25シーズンはリーグの年間最優秀選手となった。2022年には日本代表としてカタールワールドカップに出場している。

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