富士通、「富岳」後継機「富岳NEXT」の基本設計を受注　AI需要にも対応

　富士通は6月18日、理化学研究所が開発を進める次世代スーパーコンピュータ「富岳NEXT」（仮称）の基本設計を受注したと発表した。富岳NEXTは、スパコン「富岳」の後継機で、同社は計算ノードやCPU、システム全体の設計を担当する。基本設計期間は2026年2月27日まで。

【画像】理化学研究所による「開発方針」

　富士通は、富岳や開発中のプロセッサ「FUJITSU-MONAKA」で培った知見を生かし、多様なニーズに対応可能なシステムの開発を目指す。MONAKAの後継機「FUJITSU-MONAKA-X」（仮称）を富岳NEXTでも使用し、富岳で開発された既存アプリケーション資産の継承と高速化を図るとともに、AI処理の需要にも対応するという。逆に、富岳NEXTの構築で得た知見を、今後次世代NPU（Neural Processing Unit、AIによる推論処理高速化に特化したプロセッサ）に生かす方針も示した。

　富岳NEXTの開発は文部科学省が設置した「HPCI計画推進委員会」が推進。同委員会は、生成AIなどの技術進展に伴い、AIやシミュレーション、自動実験といった分野で計算資源の需要が急速に拡大・多様化しているとの見方を示しており、一連のニーズに対応する計算基盤として、理研を主体に開発を進めている。