株主総会で取締役再任が否決された太陽ホールディングス(HD)の佐藤英志社長=9日、東京都千代田区 半導体材料大手の太陽ホールディングス(HD)が21日東京都内で開いた定時株主総会で、佐藤英志社長の取締役再任議案が否決された。佐藤氏の再任には、筆頭株主の化学メーカーDICや、香港系投資ファンドのオアシス・マネジメントなどが反対を表明しており、主要株主が反対票を投じたとみられる。
上場企業のトップの再任が株主総会で否決されるのは異例。太陽HDは総会後の取締役会で後任の社長を決定する。
太陽HDを巡っては、株式10%超を保有するオアシスが「過大な報酬」などを理由に佐藤氏らの解任を提案。約20%を保有するDICも、太陽HDが別のファンドから受けた非上場化提案への検討が不十分だとして、佐藤氏の再任に反対の意向を公表していた。創業家も含めると、議決権の約4割が反対に回るとみられていた。
オアシスは総会後、「主張が追認されたことを喜ばしく思う」との談話を公表した。
太陽HDは半導体の基板などに使う絶縁用のインキ「ソルダーレジスト」で世界トップクラスのシェアを持つ。総会に参加した40代の男性は「業績は堅調だったが、企業統治の点で物言う株主に目をつけられたのではないか」と語った。