ロックバンドSuchmos(サチモス)が22日、横浜アリーナで、5年8カ月ぶりの復活ライブ「Suchmos The Blow Your Mind 2025」最終日公演を開催した。21年からの活動休止を経て、待ち望んだファンへ熱いサウンドを響かせ、同年に亡くなったことが公表されたベースのHSUこと小杉隼太さんへの思いを語った。
有観客のワンマンライブは5年8カ月ぶり。開演直前、暗転した客席からは「おかえり!」「待ってたよ!」の声が飛んだ。白い光に包まれたステージにメンバーが登場すると、喜びと期待に満ちた歓声と拍手が沸き起こった。
序盤から大ヒット曲「STAY TUNE」などを披露。ボーカルのYONCE(33)は「初めまして、お久しぶりです」とあいさつ。開演は夕方で「外が気持ちいい時間に、こんな暗い場所に集まって変わってますね、あなたたち。ありがとう」とにやり。ドラムのOK(34)も「来てくれてありがとう」と伝えた。
13年に神奈川県で結成し、15年デビュー。21年2月に「修行の時期を迎えるため」とバンド活動一時休止を発表し、昨年10月に再始動した。同横浜アリーナライブは21日からの2日間で2万5000人を動員。約20万の応募があったといい、プラチナチケットとなった。
YONCEが「みんなで1つになりません。なっても意味がありません。それぞれ楽しんでください、よろしく!」と呼びかけ、人気曲「MINT」へ。花道に出てファンと至近距離で熱唱し、会場のボルテージは急上昇。さらに新曲「Whole of Flower」などを披露した。
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アンコール冒頭、32歳で亡くなったことが21年10月に公表された小杉さんへの思いを伝えた。「あんまり重たい話にしたくないんだけども」と切り出し「あっという間の月日でした。失った人は帰ってこないということは、この4年間で嫌というほど理解しました。いまだに実感がなかったりもするんだけど、でもやっぱり隼太はいねえんだなあって」と語った。
「バンドとして1個区切りをつけられたらと思って、今日もよかったら一緒に深呼吸しませんか」と呼びかけ、会場全員で目を閉じ、息を深く吸った。
「来週は彼の誕生日です。彼には2人の息子がいる。彼らのおもちゃ代を稼ぐのは、俺たちの仕事だなと思ってます」とほほ笑み、拍手に包まれた。新曲「BOY」を始める直前、OKは「俺に隼太がくれた最後の言葉は、『一番好きだぞ』でした」と明かした。
最後にYONCEは「それぞれの仕事に、それぞれの経済的な事情に都合をつけたりして、わざわざこの薄暗い場所に集まった変な人たち。私たちはそんなあなたたちの前で大汗をかきながら、必死こいてやや酸欠になりながら、歌ったり楽器を演奏している変な人たちです」と笑顔。「Suchmosです。ありがとうございました! 変な人同士仲良くしよう」と伝え、大歓声を浴びた。
21日公演では10月から国内外13都市を巡るアジアツアー「Suchmos Asia Tour Sunburst 2025」の開催を発表した。7月2日には約6年ぶりのリリース作品となる新作EP「Sunburst」を届ける。
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