サッカー教室を行った橋岡(左)と町田(右) ユニオン・サン・ジロワーズ所属のDF町田浩樹と、ルートン・タウン所属のDF橋岡大樹がそろってサッカー教室を都内で開催した。
不動産投資クラウドファンディングサービス『COZUCHI(コヅチ)』を運営するLAETOLI株式会社主催で開催された教室では、小学生約90名が参加。2時間近くにわたって、両選手ともフル稼働で汗を流した。
ともに「僕も楽しんだんですけど、それ以上にみんなが元気にやってくれたので、今後の日本のサッカーは未来が明るいと思いました」(橋岡)、「こういう活動を通じて、日本全体でサッカーを応援していただけるようになることも、すごく大事なことですし、来年はワールドカップがあるので国全体で盛り上げてくれたらすごくうれしいですね」(町田)と、子どもたちからの熱気をひしひしと感じた様子。サッカー教室では“楽しむ”をテーマに、子どもたちにたくさん声を出してもらえるように促しつつ、一緒にプレーしてサッカーの魅力を伝えた。
子どものころは前線の選手に憧れがちになるものだが、橋岡は「僕もそうでした」と自身も幼い頃はストライカーになりたかったと話す。その中で、「ディフェンスは一回のミスが失点につながったりして、バッシングを浴びたりもする、プレッシャーがものすごい中でやっているので、メンタル的にも難しい部分もある」としつつ、「その中でプレーしているのは誇らしく思っています。ストライカーより目立たないかもしれないですけど、下からみんなを持ち上げる役目だと思っています。フォワードの選手が僕らを信じて、『あいつなら大丈夫』と言わせられるくらいに頑張りたいですね。みんなチームを支えるようなポジションだよというのは、みんなに教えたいです」と、やりがいを口に。
町田は、「彼は(アーリング)ハーランドとやったり、僕もヨーロッパリーグで(モハメド)サラーとやったりしましたけど、トップトップの相手と守備で戦えることは、この上ないことですし、その中で細かい駆け引きがたくさんある」と、自身の経験談を交えつつ、「そういう楽しさを、みんなが大きくなった時にたぶん気づいてくるので、みんなやりたがらないですけど(笑)、ぜひ、そういう楽しさに気づいて、ディフェンスを楽しんでほしいです」と、今はサッカーを楽しんでもらいつつ、将来はたくさんディフェンダーが出てきてほしいと続けた。
屈強な相手と対峙することが求められるポジションだが、町田は日本人選手に関しては「ディフェンスの方が活躍しやすいと思います」と話す。「フォワードは仲間から信頼してパスを出してもらわないといけない。でも、ディフェンスはどちらかというと守って、僕ら側からパスを出すし、僕らが周りを動かす役割なので、ディフェンスの方が海外でやれると思います。日本人は技術もあるし、最近はサイズもあるし、スピードもある」と、細かい気づきやプレーもできる日本人選手に向くと話す。
橋岡はその一方でディフェンスならではの難しさとして“言語”を挙げ、「戦術を英語で理解して、自分で理解するだけではなく、英語で周りに伝えないといけない。まず言語から入らないといけないので、そこは難しいのかなと思います」と、環境への慣れが重要だとし、「(そこがクリアになれば)ディフェンスの選手が増えるというのは町田選手に同感なので、僕もそれは期待したいですし、自分がまず示さないといけないと思います」と続けた。
日本代表としては、1年後にはFIFAワールドカップ26が控える。ともにワールドカップを近い目標に掲げ、橋岡は「メンバーに入るということと、それまでにやらないことがあります。試合に出て、結果を出すところから」と、まずはクラブチームで結果を出すことが重要と話し、町田は「しっかりといいパフォーマンスをして選ばれるということと、優勝という結果をベルギーリーグで取れましたが、そのうれしさやタイトルの味は何も代えがたいものだったので、タイトルを常に意識して戦いたい」と、1年間の目標に挙げた。
その両選手は去就が気になる位置づけ。橋岡は負傷にも苦しみ、2024−25シーズンはベンチ外で過ごすことも多く、ルートン・タウンはイングランド3部への降格が決定。「選択としては、まず自分がどの道に行っても、自分がやるだけだと思うので、自分が選んだ道でしっかり活躍して、周りの人に『あの移籍よかったな』と言わせられるような移籍をしたいと思います」と、移籍希望を公言。町田も「契約があと1年残っていますが、ベルギーで取れるタイトルはすべて取ったので、次のステップに進むタイミングかなと感じています。ただ、移籍というのは自分1人で決められることではないので、いいオファーを待ちたいと思います」と、ステップアップを望みつつ、慎重に進めていくとしている。