芸歴55周年海原はるか・かなた、コンプラ違反相次ぐ芸能界の泳ぎ方「紳士的にいった方がええ」

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2025年06月23日 17:34  日刊スポーツ

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芸歴55周年記念公演を開催する海原はるか(右)・かなた(撮影・阪口孝志)

ベテラン漫才コンビ海原はるか・かなた(ともに77)が23日、大阪の松竹芸能で芸歴55周年記念公演「はるかなEXPO55」(8月23〜24日、DAIHATSU心斎橋角座)の記者会見に出席した。


役者志望で熊本から来阪したはるかと、奈良県出身のかなたが70年に結成。はるかは「55年も芸能の世界に存在できると予測していなかった。感謝しかない。今、本当に幸せな人生を歩めている。77歳でこんなに幸せでいいのかな」とすべての関係者に感謝。かなたも「いろんな方々にご指導いただき、何とかやってこれた。55周年もひとつの記録。できたら60年、行けるところまでやっていきたい」。55周年の勲章を「我々は新人賞という新人賞を外されてきた。箸にも棒にも引っかからない。それでも、上方漫才大賞奨励賞も大阪市の文化功労賞もいただいた。やってきて良かった。お互い元気だったのが1つの原因」と胸を張った。


かなたが18年に腰部脊椎管狭窄(きょうさく)症で1年7カ月休養、22年には体調不良のため検査入院したこともあったが、はるかはジムでベンチプレス60キロを上げ、かなたも週4回ジムに通い、健康には留意。同世代の漫才師らが鬼籍に入っていく中で漫才を続けてきた。


はるかは「老いるのは仕方ない。なるべくスピードをスローに。内田裕也さんのようにプライベートヌードも撮って。70歳で撮って、75歳でも撮って。80でも撮ろうかなと目標にトレーニングしてます。トレーニングしてると元気になる。自分が夢を持てる部分を作ろうと思って」と話し、かなたも「70過ぎますとね、階段を上るのもえらい(=しんどい)。はるかくんみたいにヌードを撮ろうとは思わないけど、ジムには行ってる。知り合いもデキてコミュニケーションを取れるのもありがたい」。


公演初日は横山ひろし・春けいこ、酒井とおるら同世代芸人と漫才を通して55周年を振り返り、コーナーゲストにますだおかだらが出演する。2日目は若手芸人らとのトークを中心に展開する。


2人は両日、漫才を披露する。競馬ネタも披露予定で、はるかは文字通り、老骨にむち打って挑む。


健康維持と同様に、商売道具の漫才のブラッシュアップも欠かさない。TikTokの生配信やインスタグラムの更新など、令和の時代に適応。はるかは「わからんかったら、若い人に聞く」ときっぱり。AIのネタなどもあり、かなたは「世代で笑いの質は違う。我々の年齢でAIをどう処理するかって一節だけでも爆笑する」と積極的に変化を求めている。


近年、芸風が現在のコンプライアンスに適応せず、謝罪に追い込まれる芸能人も少なくない。


漫才でも「どつき漫才」といったジャンルがあるが、かなたは「ネタで『何を言うてんねん!』とパーンといきたいときもあるんですけど、こういう頭になってくるとね、(客席の)前の方のお客さんの雰囲気が変わるので、そういうのは一切やらなくなった」と明かした。


漫才の台本は作家も一緒に作っているが、言葉のチョイスひとつをとっても、「ちょっとしたことが問題になるので、今まで平気で言うてた言葉にもナーバスになってる」と吐露した。


師匠の海原お浜・小浜からは「年とったら、いとこい(夢路いとし・喜味こいし)のような紳士的な漫才せえよ」と言われていたという。


かなたは「お前って言葉も使わなくなった。孫からも『お前って言うたらアカン』って言われてね。いとこいさんは絶対にそんな言葉は出なかった。『あのボケにどうツッコむか』というのは時代を反映すると思いますけど、紳士的にいった方がええなというのは年齢とともに思いますね」としみじみ。はるかも「自分らが楽しもうと思ったら、ややこしい言葉や下品な言葉は外して、2人のやりとりで楽しむ。それがお客さんに伝わったらいいかな」と笑った。


それだけに、日本テレビ系「ぐるナイ」で共演経験があるTOKIO国分太一(50)が、コンプライアンス違反があったとして無期限で全ての活動を休止すると発表したことについては「いい子でしたけどね」と不思議がっていた。

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