
あまりにも良すぎる待遇には疑いを持った方がいいのかもしれない。東京都の30代女性(事務・管理/年収600万円)は、「営業職にチャレンジ」したいという気持ちから事務職を辞め、思い切って転職をした。「寝具の営業」だったという。条件は、かなり良かったようだ。
「9〜18時で、お給料も手取りで27万スタート(事務が手取り21万だった)。土日は休み」
辞めた今、「良すぎるのでは?と思うべきだった」と若干の後悔があるらしい。(文:長田コウ)
定時は朝9時からなのに「7時半に出勤してね」
初出勤日、「入社書類や自己紹介を終えて社内の使い方や今後の流れ」を教えてもらったそう。その後、部長に
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「明日からは営業について教えるから7時半に出勤してね」
と言われた。9時出社と聞いていた女性は驚いたが「営業行く前に営業マンから教えてもらえるのだろう」と前向きに考えていた。しかし、その考えは簡単に覆されてしまう。
「その日だけだと思ったら大間違い。毎日7時半出勤。しかも、出勤したらまずコーヒーをみんなに入れるところから。そこから掃除、営業の勉強、朝礼をして外回りへ…」
1時間半も早く出勤した分の給料は出なかった。ただ、営業社員たちはその代わり「外回り中は割と自由が効くから」と割り切っていたそう。女性も実際、髪を切りに行ったり買い物をしたり、自分の時間を過ごすこともあったという。土日は「3か月に1度くらい出勤」があったものの、代休は取れた。なんとか馴染んでいたようだ。
労災申請を「得意げに言われ驚き、その半年後に退職しました」
しかし、女性にとっては退職のきっかけともなる「社員旅行」の日に、アクシデントが起きてしまう。
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「盛大に転んで足を折りました。右足めちゃくちゃ痛くて、ピンヒールだったけど電車で1時間ちょっとかかるので、『しんどかったら社用車で帰宅したら?』と言われた。流石におかしいと思って、やっている病院を探してその足で診察へ行ったら折れていた」
翌日、ギプスをしながら社用車を会社に戻しに行った女性。2か月間も休まなければならない状況となったそう。
休職が明けると、部長から「労災申請や休業補償の話」をされたのだが……。
「『こんなに出来るのいい会社でしょ?』と得意げに言われ驚き、その半年後に退職しました」
労災が使えることは労働者の権利だ。それを「会社のおかげ」とでも自慢するように言われ、女性はドン引きしたのだろう。退職したことに全く後悔はないようで、次のように述べている。
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「今思えば、営業の世界を知りたいという好奇心と、若かりし頃のスタミナや、なんでも純粋に素直に受け入れてしまっていたから気にならなかっただけ。今となってはいい経験でした」
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