【漫画】中学生の娘に「整形したい」と言われたら? リアルな体験談をもとに描かれる”女性の本音”

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2025年06月24日 07:00  リアルサウンド

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『美容カウンセラーさんが整形した理由』(うみの韻花)

 近年ぐっと身近になった美容整形。それに伴い、利用者の低年齢化も進んでいるという。その実情を現役高校生からのリアルな体験談をもとに描いた漫画『美容カウンセラーさんが整形した理由』がXに投稿されている。


参考:【漫画】『美容カウンセラーさんが整形した理由』を読む


 作者はうみの韻花さん(@umino_otoka)。港区女子に取材をして作り上げた労作『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』が発売されたばかりの彼女に、本作を作った経緯について聞いた。(小池直也)


――Xに投稿していかがですか? 理由や手応えなどがあれば教えてください。


うみの韻花(以下、うみの):意外にも反響が多く驚きました。お話に登場する美容カウンセラーさんの整形理由が、学生の時に容姿に対する誹謗中傷やいじめが原因だったので、それで共感される方が多かったみたいです。


――本作の着想について教えてください。なぜ美容整形をテーマに?


うみの:もともと私自身が整形をしており、整形のエッセイ漫画はあまり見かけないので自分で描いて整形のリアルを世に広めようと描き始めました。


――実体験や取材をもとにされているのでしょうか。


うみの:自分以外の整形やルッキズムで悩む読者さんの体験を漫画にしたいと思い、体験談を募集したんです。そうしたらDMで「中学生の友達が整形して、私も結局外見なんだって気にするようになり……」という体験談をいただき、このお話を描きました。


その方は現在高校生、クラスメートのルッキズム執着がすごいらしく、最近の若い子達の現状を聞いてビックリしましたね。美容施術がポピュラーになっていくのと同時に、そういった外見に対する固執も年々加速している気がします。


――特に思い入れのあるシーンなどはありますか? その理由を添えて教えてください。


うみの:主人公のハナは、クラスの全員の前で男の子に「ブス」と言われてしまいます。そのたったひと言が頭から離れない、だからキレイにならないとダメだ……と思い悩む彼女を描いたシーンは特に思い入れがあります。昔私も、同じような経験をしたので。


――キャラデザインや作画でこだわっていることは何でしょう?


うみの:キャラデザは、性別問わず基本的にはデフォルメ寄りの可愛らしい感じにしてます。整形前と後で顔が変わる場合は目の大きさや人中の長さ、鼻の高さなど、シンプルな絵柄でもちゃんと変化はつけるようにしてます。


 あとキャラクターの心情を表すのは目だと考えているので、目がアップになる時はしっかりと描き込むようにしてます。


――美容整形がカジュアルになった現状について、うみのさんが感じることはありますか?


うみの:美容整形を気軽に受けれるようになった反面、失敗するリスクなどがあまり周知されてない気がします。プチ整形でも決してプチではなくリスクは潜むもの。エステ感覚で受けず、施術について事前にしっかり情報を集め、クリニックを慎重に選ぶべきだと思ってます。


――単行本『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』も発売となりましたが、今のご心境はいかがですか。


うみの:こちらは「若さと市場価値」をテーマにした作品で、田舎から上京した主人公が「港区女子」に染まっていくなかで、若さを失うことの焦りと、市場価値の変化を描いたセミフィクションです。


 実際に港区女子として活動をされていた方々に取材し、制作期間に1年半を費やしました。主人公が稼ぐようになって承認欲求に囚われたり、年齢を重ねても美しくいることに執着する様子などリアリティを追求して描いております。今回は2冊目の書籍にして初めての紙版なので、本屋さんに置かれると思うとドキドキです。


ーー今後の展望を最後にお願いします。


うみの:毎年に1冊は書籍を出版できるよう頑張りたいです。私の漫画は主に「美容や整形」をテーマとした作品が多いのですが、今後はそれ以外のテーマに挑戦してみたり、何度も読み返したくなるようなメッセージ性のある作品を作っていきたいなと思っています。


▪️本作の続きはうみの韻花ブログで無料公開中!


(文・取材=小池直也)



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