※画像はイメージです―[ゼロ恋愛 〜経験値ゼロから学ぶ恋愛講座〜/堺屋大地]―
こんにちは、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地です。
筆者はLINE公式サービスにて計1万件以上のチャット恋愛相談を受けてきました。また知人経由で対面の相談を受けることも多く、性別・年齢問わずさまざまな方の恋のお悩みをうかがい、知見を深めているのです。
2020年国勢調査によれば、日本人の「生涯未婚率」(50歳時の未婚割合)は年々上昇しており、女性は17.8%、男性に至っては28.3%にも及びます。そんななかで、恋愛がうまくいかないという方々にも筆者の知見が少しでも役に立てばなによりです。
◆笑いが起きるどころか自虐によって気まずい雰囲気になるリスク
さて、女性との会話のなかで、目先の笑いを取ろうとしてつい自虐ネタを言ってしまうという40代・50代男性は少なくないでしょう。
けれど実際は、笑いが起きるどころか、その自虐によって気まずい雰囲気になってしまうケースも少なくありません。
なぜ40代・50代男性はドン引きされがちなのでしょうか?
イタくない自虐ネタとの差はなんなのでしょうか?
解説していきます。
◆ダメな自虐には“言葉選び”や“発想の切り口”のセンスがない
ドン引きされてしまう自虐ネタは、往々にしてひねりのない安直な発言になってしまっており、“言葉選び”や“発想の切り口”のセンスが感じられません。
例としてわかりやすいのはハゲネタの自虐です。
40代・50代男性が「僕ってハゲてるから(笑)」と言ったところで、その場で起こるのはせいぜい冷めた愛想笑い。
ですが、ソフトバンクグループの孫正義氏は違います。
孫氏がかつてTwitter(現X)で、《髪の毛の後退度がハゲしい。》とイジッてきたユーザーに対して、《髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである。》と切り返したことが、大きな話題になったことを記憶している方も多いでしょう。
この孫氏の発言は自発的な自虐ギャグではないものの、多くのネット民の笑いを誘い、なおかつ称賛を集めたのです。“言葉選び”や“発想の切り口”に抜群のセンスが感じられるのは言わずもがなでしょう。
◆実は……自虐ネタは「誰が言うか?」がかなり重要なファクター
しかし、“言葉選び”や“発想の切り口”という部分は、その自虐ネタのセリフ自体の要素であり、言ってしまえば表面的な要素でしかありません。
たとえば自分にあまり自信がない一般の40代・50代男性が、孫氏よりも先にまったく同じ発言をしていたとしても、ドン引きされてしまう可能性もあったでしょう。
なにが言いたいかというと、自虐ネタは「誰が言うか?」もかなり重要なファクターということ。
まったく同じ発言でも、その言葉を発した人物の肩書き、スペック、実績といったバックボーンによって、大爆笑が起こることもあれば、反対にお寒い空気にしてしまうこともあるのです。
さすがに孫氏ほどの大物はなかなかいないにしても、たとえばハゲ自虐をした人物が、替えのきかない専門職で年収うん千万円と稼いでいたり、スポーツが得意で鍛え上げた肉体を持つマッチョキャラだったりすれば、その場で爆笑が起こる可能性は充分あります。
要するに本人が自信に満ちていて、「ハゲ」というマイナスファクターを補っても余りあるプラスファクターを持っている場合、周囲の人々を楽しくさせる自虐ネタとなりうるということです。
◆“引かれる自虐ネタ”と“惹かれる自虐ネタ”、違いはどこに?
自信の有無が“引かれる自虐ネタ”か“惹かれる自虐ネタ”かを左右するケースは、ほかにも多々あります。
中高時代は非モテ4軍男子で女子との会話時間がゼロだったといった自虐ネタや、運動神経がなさすぎて体育祭では毎年“空気”になって身を潜めていたといった自虐ネタは、40代・50代になっている発言者が“現在”、自信を持っているかどうかが分水嶺。
ただし、根拠もなくなぜか自信満々というタイプは例外。ポイントは、本人が自信を持っているかどうかだけではなく、周囲から見ても納得の事実に立脚した自信があるかどうかでしょう。
周囲から見て、“現在”の人生が充実していて幸せそうなら笑えますが、充実しているようには見えず不幸そうならまったく笑えなくなるのです。
言い換えるなら、その40代・50代男性が“笑ってもいい空気感”をまとっているか、それとも“笑っちゃいけない空気感”をまとっているかの違いとも言えます。
◆“自虐ネタは簡単に笑いが取れるほど甘くない”と覚えておくべし
自虐ネタは簡単に笑いが取れる手法だと思われがちなので、多用してしまっている40代・50代男性は少なくないでしょう。
しかし、自虐ネタはそんな簡単に笑いが取れるほど甘くはないということ。
“言葉選び”や“発想の切り口”といったセンスが問われますし、さらには自他ともに認める“自信”がなければ、大爆笑を巻き起こすことは難しいのです。
<文/堺屋大地>
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【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。本連載意外に『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は@SakaiyaDaichi