火の粉、みこしに住民熱狂、能登半島で「あばれ祭」 復興の起爆剤に

6

2025年07月06日 10:07  毎日新聞

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

毎日新聞

キリコ祭りの先陣を切って催された「あばれ祭」。たいまつから落ちる火の粉を浴びながら酒垂神社の神輿の上に乗り、神輿をたいまつに当てる男たち=石川県能登町で2025年7月5日午後10時47分、岩本一希撮影

 石川県・能登半島では毎年夏になると、灯籠(とうろう)を引き回す伝統行事「キリコ祭り」が各地で催される。「キリコ」とは灯籠のことで、大きいものでは重さ約4トン、高さ15メートルを超える。その祭りの皮切りとなる「あばれ祭」が5日深夜、能登町宇出津(うしつ)地区でクライマックスを迎え、最大の盛り上がりを見せた。


 祭りは地区にある八坂神社の祭礼。暴れる様子が祭神を喜ばせるとされ、約350年以上前から続くと言われている。今年は4日に始まった。


 最終日の5日夜には、2基の神輿(みこし)が町中心部を回り、途中で住民らが路上で神輿を投げたり壊したりしながら進んだ。八坂神社の手前の梶川ではたいまつがともされ、火の粉が舞う中、神輿が投げ入れられ、住民らが川の中を神輿を担いで進んだ。


 祭礼委員長の新谷俊英さん(71)は「能登半島地震からの復興が一歩ずつ進んでいることを見せられた。これが能登のキリコ祭り復活の起爆剤になれば」と話した。


 石川県の教育委員会によると、能登半島の6市町では例年7月から10月にかけて約230のキリコ祭りが開催される。しかし、2024年は元日の地震や9月の豪雨の影響で、30の祭りしか実施されなかった。【岩本一希】



このニュースに関するつぶやき

ニュース設定