


元義母は感情的になって私を罵倒してきます。「ジンは本当は……寂しがってるのよ? 母親にこんなにも邪険にされて嫌がられて……。可哀相すぎる! あなたは最低な母親ね!」私は大きなため息をつくと、冷静に言葉を返しました。


「ジンは私を敵視するようになりました。私と一緒にいればいるほど辛そうでした。そんな状況に持っていったのは……あなた方ですよね? 子どもの居場所をなくすようなことを吹き込みつづけることが、どれだけ罪深いことか……」

私のことを今さら「ジンを捨てた酷い母親」と責め立ててきた元義母。私を酷い母親に仕立てあげたのは、あなたたちなのに……。「ジンが可哀相」「ジンが寂しがっている」そう言えば、私が動くとでも思ったのでしょうか。私からジンを引き離し、自分たちが引き取ると決めた以上、ジンの寂しさも受け止めないといけなかったのではないでしょうか。
そもそも私はジンだけの母親ではありません。ユメの母親でもあるのです。ジンのことを忘れたことはないけれど、ジンの面倒をみるのは元夫や元義母の役割です。いくら冷たいと責められようが、私の気持ちは変わりません。
【第10話】へ続く。
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