突然、庭に現れた猫→家に招き入れた瞬間“驚きの行動”。病気判明も大好きなお家&お外で穏やかに過ごす姿が愛らしい

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2025年07月07日 16:20  女子SPA!

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【今日のにゃんこタイム〜○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.178】

 血管を構成する細胞がガン化する「血管肉腫」は、犬に見られやすい悪性腫瘍ですが、まれに猫も発症することもあります。

 一般的に血管肉腫は予後があまりよくないと言われていますが、猫の血管肉腫は症例が少ないため、予後が不明。飼い主側は、奇跡を願いたくなります。

 愛猫くのくんと暮らすyunaさん(@___06413)も、そのひとり。くのくんは、2025年2月に血管肉腫であると診断されました。

◆突然、「網戸登り」を披露した成猫をお迎え

 くのくんとの出会いは、2012年の秋。すでに成猫だったくのくんは突然、おうちに現れ、網戸越しに家族を見つめたり、“網戸登り”を披露したりするようになりました。

 その後は、頻繁に庭で姿を見るように。人間への警戒心はなく、家族は玄関を開けると家の中へ入ってくるほどの人懐っこさでした。

「家の中で、毛づくろいまでしていました。うちでは飼えないねと家族と話していたので、『入ったらダメよ〜』と言いながらお外に出してバイバイする日々が数週間、続きました」

 しかし、くのくんは諦めずに何度もアプローチ。その熱意に負け、家族はくのくんのお迎えを決意しました。

「お家に招き入れた瞬間、座布団の上で爆睡。何の違和感もなく、家族の一員になりました」

◆「完全室内飼い」のハードルに悩んで…

 動物病院では、高齢ではない成猫であると判明。ただし、幼少期からあまりよくない環境で野良猫として育ってきた能性が高く、生まれつき瞬膜が少し出ているなど、目に障害がありました。ただ、重篤な病気は患っていなかったため、家族は安堵したと言います。

 近年は、猫の完全室内飼いが主流。これからも健康で過ごしてもらいたいと思い、家族はお外で長らく生きてきたくのくんの室内飼いに挑戦しました。

 ところが、何度、奮闘するも室内飼い計画は失敗……。外に出られないと、家のドアを破壊する、意味もなく徘徊する、四六時中鳴き続ける、ご飯を食べなくなるなど、明らかにストレスを感じている行動が見られるようになったのです。

 悩んだyunaさんは、獣医師に相談。すると、「もともと野良猫でしたら、お外でもいいんじゃないですか。周囲の環境もよく、元気よく過ごしているのであれば、それが一番」とのアドバイスをもらい、精神状態を守る暮らし方をさせようと決めました。

「日中はほとんどお外で過ごしていますが、ご飯や就寝はおうちの中。ストーブやこたつが大好きなので冬はおうちにいることが多いですが、夏は外遊びが楽しくて仕方がないらしく、お外時間が長め。ただ、必ず帰ってきてくれるので、おうちが居場所だと認知してくれているようです」

 幸いおうちの周辺は車通りが少なく、自然豊か。ご近所さんは事情を説明すると理解してくれ、撫でたり名前を呼んだりと、くのくんをかわいがってくれています。

 なお、yunaさんはノミやマダニ対策はしっかり行い、首輪を付けることを徹底するなど、くのくんが心身共に健康でいられるように気を付けてもいます。

◆突然できた「左目頭のできもの」から出血が止まらなくなった

 穏やかな日々が一変したのは、2024年10月。突然、くのくんの左目頭に赤いできものができました。すぐに近所の動物病院へ行くも、「見たことがない症状であるため、病気ではないと思う」と言われ、目薬を点して様子見することに。

 ところが、できものは次第に大きくなっていったため、yunaさんは別の動物病院へ行きました。

「そこでも、見たことがない症状だと獣医師さんは頭を抱えていました。ただ、食欲と元気はがあったことや痛みはなさそうなこと、年齢的な手術のリスクを考慮し、様子見することになったんです」

 だが、12月下旬、できものはさらに大きくなり、出血も見られるようになりました。出血する頻度は日に日に短くなっていき、2025年1月には拭いても血が湧き出てくるほどに……。

 これは、ただごとではない。嫌な予感がしたyunaさんは再診し、獣医師に相談。手術が難しい部位であり、年齢的なリスクはあるものの、このまま放置はできないと判断され、2025年2月、手術と組織の採取を行いました。

◆左目頭のできものは“血管肉腫”! 手術を乗り越えた現在は…?

 採取した組織を検査した結果、左目頭のできものは「血管肉腫」であると判明。腫瘍が深いところまで根づいていたことや発症部位が目であったことから、腫瘍を完全に切除することはできませんでした。

「でも、見た目は血管肉腫の発症前のようになりました。癌組織はゆっくり体内を巡っており、転移する可能性は高いそうです」

 現在は月1通院し、レントゲン検査。家族は、これまで通りの生活を続けさせてあげることで、くのくんがストレスを溜め込まないように配慮しています。

 術後、くのくんは食欲があるのに上手く食べられずに吐き戻しをしたり、体重の減少が見られたりはするものの、元気はあり、健康診断でも他に異常は見つかりませんでした。

 血管肉腫は早期発見が難しく、腫瘍が破裂・出血し、危機的な状況になって初めて判明することも多い病。“一瞬の迷い”が命取りとなるのが、血管肉腫の恐ろしさです。

 だからこそ、yunaさんは飼い主側が「何かおかしい」と直感したら、まずはすぐ動物病院で相談してほしいと訴えます。

「毎日一緒に暮らしている飼い主さんにしか分からないことって、絶対にあると思うから。それと、治療方針を決める時には病院任せではなく、どうしたいかを積極的に獣医師さんへお伝えすることも大事だと感じました」

 血管肉腫は発症部位によっては、試験的開腹(※病気を診断するために行われる開腹手術)をしないと組織検査ができない場合もあり、飼い主側は葛藤することもありますが、できものが本当に腫瘍なのか、はたまた悪性か良性なのかを知ることは今後の治療法を決める上で重要になってきます。

 犬だけでなく、猫も血管肉腫になることがある。くのくんのニャン生は多くの人に、厳しくも知っておきたい現実を教えてくれます。

<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291

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