暗闇の道路に犬、犬、犬 保護されたお腹がパンパンのワンコ 妊娠中と思ったら…

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2025年07月07日 18:40  まいどなニュース

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まいどなニュース

福岡県内のとあるエリアの多頭飼育現場付近。30匹ものワンコが野犬化して過ごしていました

福岡県のとあるエリアで、数年前から問題になっていた多頭飼育現場。

【写真】強い警戒心を持つ一方、攻撃的な態度は全くありません

現場近くは野犬化した30匹ものワンコのほとんどが皮膚病を患い、骨が浮き出るほどガリガリに痩せ細っていました。ワンコたちはストレスを抱え吠え、走り回っている状況でした。特に夜間に周囲でクルマの音などがすれば、ワンコたちがけたたましく吠えながら民家の敷地から一斉に飛び出してくるため、かなりの脅威です。

近所の人が飼い主に掛け合うも、コミュニケーションの取りにくい人で話になりません。

やむを得ず行政に訴えました。そして、行政が保護をするために多頭飼育現場付近に罠を設置。この罠にかかったのがキリちゃんというワンコでした。

警戒心は強い一方、穏やかで優しい性格の持ち主

キリちゃんは、その後いったん動物愛護センターに収容されました。収容当初、人間を強く警戒し震え続けていましたが、かと言って噛み付いたり、攻撃するようなことはなく、本当は穏やかな性格のワンコであることがうかがえました。

また、キリちゃんはお腹のあたりがやや膨らんでおり、妊娠の可能性があるようにも見えました。

キリちゃんの存在を知った福岡県内のボランティアチーム、わんにゃんレスキューはぴねすでは迷わずキリちゃんの保護を決意。動物愛護センターから引き出し、まずは代表の自宅へと連れて帰りました。

「キリちゃん」と呼んだら初めて振り返ってくれた

家についてもキリちゃんの警戒心は解けぬまま。サロンに連れて行き、初めてのシャンプーやドライヤーに挑戦する際も怯えてジッと固まるばかり。シャンプーやドライヤーにもじっと耐え、部屋の中でもクレートから出ることを拒みました。

今まで愛情を知らずに生きてきたことが原因でしょう。そんな始まりでしたが、慌てず焦らず、じっくり時間を愛情を注ぎ続けました。

すると、保護から数週間が経過した頃、何気なく「キリちゃん」と呼んだら、振り返って寄って来てくれるようになりました。代表にとっては小躍りしたくなるほどうれしい瞬間でした。

妊娠でもなんでもなくただ太っていただけだった

また、キリちゃんは底なしの食欲で水を1.5Lほどを一気に飲み干し、お腹がパンパンに膨れていました。思わず「牛か?!」とツッコミたくなるほど大きなウンチも。

「これも妊娠している影響かも?」と思われましたが、動物病院で慎重にエコーを当ててもらうと、妊娠・腹水無し、肝臓腎臓も全く問題ありませんでした。つまり、キリちゃんのお腹がやや膨らんでいた理由は「ただのおデブ」ということだったようです。動物病院のスタッフ、代表みんなで大笑いし改めて桐ちゃんをなでてあげました。

オチャメで優しくお利口のキリちゃんの幸せは間もなく?

後に完全にリラックスし、環境に馴染んでいきました。それは本当に良いことですが、その座り方はまるでオッサン。そんな姿がまたかわいくて、団体関係者や支援者の間で、人気者になっていきました。

キリちゃんのもとにはまだ「うちにおいで」の声がかかっていませんが、それも時間の問題。これだけオチャメでお利口さんのキリちゃんなら、近い将来必ずや本当の家族との出会いがあることでしょう。

あのかわいい姿をやがて見られなくなると思うと少し寂しいですが、キリちゃんが幸せを掴んで巣立っていくことが最優先。過酷な環境で過ごしてきたからこそ、安心して過ごせる温かいお家が見つかると良いですね。 

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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  • 捨てるなら最初から飼うな 我が子にも犬同様捨てれるんか 人として終わってる
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