参院選が公示され、街頭演説を終えた公明党の斉藤鉄夫代表=3日、神戸市西区 「全国一の激戦区、ここしか第一声の地はない」。公示日の3日、真っ先に駆け付けたのは「最重点区」と位置付ける兵庫選挙区の神戸市だった。前哨戦として臨んだ6月の東京都議選は36年ぶりに全員当選を逃し、党勢低迷に歯止めがかからない状況に危機感を強める。立て直しを懸け、代表就任後初めての国政選挙に挑む。
支持母体・創価学会は、高齢化などで集票力の衰えが指摘されて久しい。都議選では、2021年の前回から得票を約10万票減らした。
昨年の衆院選で少数与党に転落して以降、存在感を発揮できない局面が続く。街頭演説で訴える実績には、高額療養費制度の見直し凍結やガソリン税の暫定税率廃止方針など、野党が主導権を握った政策も少なくない。
それでも、自民、公明両党による政権継続の重要性を繰り返し強調。「物価高を上回る賃金上昇を実現する方策を打ち出しているのは与党だけだ」と支持拡大に懸命だ。
目標は、改選候補の全員当選と比例700万票の獲得。党勢回復を期し、全国を駆け巡る。