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2025年07月08日 12:11 ITmedia PC USER
2019年から始まった「GIGAスクール構想」で導入された児童/生徒用の学習用端末のリプレースと、教職員の「校務DX(デジタルトランスフォーメーション)」実現に向けた環境整備が並行して進んでいる。学習用端末のリプレースのピークは2025〜2026年度に来ると言われていることもあり、PCメーカーや周辺機器メーカーは教育関係の展示会へと積極的に出展し、自社の強みをアピールしている。
6月5日〜7日にTFTビル(東京都江東区)で開催された「NEW EDUCATION EXPO 2025」でも、多数のPC/周辺機器メーカーが出展していた。この記事では、周辺機器メーカーやソフトウェア/ソリューション企業のブースを紹介したい。
●バッファロー:幅広いネットワーク機器を中心に訴求
バッファローのブースでは同社が得意とするWi-Fi(無線LAN)アクセスポイントを始めとするネットワーク機器の他、液晶ディスプレイ、Webカメラ、キーボード、マウス、タッチペンなど学習用/校務用端末向け周辺機器を展示していた。
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Wi-Fiアクセスポイントは、教室の規模に応じてスペックを選べる屋内用製品の他、屋外活動での利用を想定した防水/防じん設計の屋外用製品も展示されていた。
液晶ディスプレイについては、ここしばらくのバッファローにはなかった製品だが、「教育機関を含む法人ユーザーから引き合いが強い」ということで“復活”を果たしている。
●エレコム:タッチタイピング習得を支援する「KEY PALETTO」を中心に展示
エレコムのブースでは、タッチタイピングを学ぶための製品群「KEY PALETTOシリーズ」と、KEY PALETTOに最適化されたタイピング練習ソフト「TYPING LAND KEY PALETTO Edition」の展示が中心に据えられていた。
KEY PALETTOはPC/タブレット向けの無線/有線キーボードの他、学習用端末のキーボードに貼り付けて使う「キーボードマスターシール」も取りそろえている。
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その他、鉛筆と同じ太さで筆箱にしまいやすい鉛筆型アクティブタッチペンや、新製品のWi-Fi 7対応アクセスポイント「WAV-BE187-M」も展示されていた。
●エプソン販売:「プログラマッピング」の展示が面白い
エプソン販売は、同社が推進しているプログラミングとプロジェクションマッピングを組み合わせた教育アプリケーション「プログラマッピング」のデモや、主力製品の1つであるプリンタの展示を行っていた。
プログラマッピングは、Scratchに似た独自のビジュアルプログラミングツールを使って映像やキャラクターなどを動かすプログラムを作り、プロジェクターを使って壁や天井、階段などさまざまな場所にその映像を投影して楽しむというものだ。
デモに使われていたプロジェクター「EB-760WI」は電子黒板機能も搭載した高機能なものだ。ただし、実際にプログラマッピングを学校などで実施する場合は、もっとコンパクトなモバイルプロジェクターを使った方が便利そうだ。
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学校における掲示物印刷ニーズに応えるべく、A3ノビ対応のビジネスプリンタ「PX-M6712FT」も展示されていた。
●富士通Japan:小学校の図書室向けシステムをデモ
富士通子会社のSIer(システムインテグレーター)である富士通Japanのブースでは、同社が開発した小学校の図書室向けシステム「K-12図書館 LS@SCHOOL」のデモを行っていた。
K-12図書館LS@SCHOOLは、小学校の図書室で児童が“自分で”本を借りたり返したりするためのシステムだ。それだけに、分かりやすいUI(ユーザーインタフェース)と親しみやすい画面デザインを特徴としている。
●アイ・オー・データ機器:液晶ディスプレイやWebカメラなどを展示
アイ・オー・データ機器のブースでは、同社が得意とする液晶ディスプレイやWebカメラなどを展示していた。
液晶ディスプレイをプッシュしていたのは、文部科学省が2025年1月に公開した「学校のICT環境整備3カ年計画」において教員用の業務用ディスプレイの1人1台整備が明記されたからだ。
ノートPCを手前に置いて使う場合、標準のスタンドでは高さが足りず、液晶ディスプレイとノートPCの液晶ディスプレイがかぶってしまうことがある。アイ・オー・データ機器では、この問題に対処するためのディスプレイ台座も販売しており、ディスプレイと一緒に展示していた。
その他、180度という広い画角を実現したWebカメラの新製品「TC-MC400W」のデモや、Thunderbolt 3対応の4ベイRAIDストレージの展示、自社が取り扱うVerbatim製USB Type-Cハブなども展示していた。
●STEAM教育教材コーナー:興味深い展示あり
NEW EDUCATION EXPO 2025では、例年通り内田洋行が複数のブースを構えていた。その1つである「STEAM教育教材コーナー」では同社が取り扱う各種STEAM(科学/技術/エンジニアリング/算数・数学)教材のデモや展示が行われていた。
ソニー・インタラクティブエンタテイメント(SIE)の「toio」を活用した教材「トイオ・プレイグラウンド」は、命令が書かれたカードを並べて、コアキューブの動きを制御できる。
TFabWorksの「タコラッチ・ミニ」のデモも行われていた。タコラッチ・ミニは、現実世界と学習用端末を“結びつける”Scratch用拡張ボード「AkaDakoシリーズ」のラインアップの1つで、センサーやアクチュエーターを活用したフィジカルコンピューティングを、児童/生徒が慣れているScratchを使って実現できる“優れもの”だ。
その他、高速な造形が売りのphorzen製3DプリンターArco FDM 3D プリンターや「レゴ エデュケーション」の新製品、プロトタイピングツール「MESH」なども展示されていた。
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