地味でミスばかりの新人女子が「店の支配者」に!? スナックで起きた“1週間のできごと”に震える

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2025年07月18日 16:00  女子SPA!

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「こんな人だと思わなかった……!」友人や同僚の意外な一面を見て驚いた経験はありませんか?

今回ご紹介するのは、友人のピンチをきっかけにスナックで働くことになった女性のそんな体験談です。

◆女友達の頼みで始めたスナックのアルバイト

2つ目のエピソードです。主婦の北原咲子さん(仮名・41歳)は、急にスナックでアルバイトをすることになりました。

「昔から仲の良い、女友達の瑞稀(仮名・39歳/フリーライター)が婦人科系の病気になってしまい、手術のために入院することになったんですよ。それを機にバイトしていたスナックを辞めることになり、その穴埋めのために『新しい子が入って慣れるまでの間だけお願い!』とバイトを頼まれて、せっかくだし働いてみることにしたんです」

咲子さんは水商売未経験でしたが、そのスナックには瑞稀さん目当てで何度も飲みに行っていたので、従業員とも顔見知り。客層も呑気な人が多いことが分かっていたため、抵抗感なく始めることができたんだとか。

「夫は下戸で一緒に飲んだりできないので、この機会にお店になるべく馴染んで、新しく入ってくる女性とも仲良くなって、瑞稀がいなくてもひとりで気楽に飲みに来れるようになるのが目的でした」

◆ちょっとミスの多い、若くて地味な新人さん

そのようにして週3ペースで働き始めた咲子さんでしたが、思っていたよりすぐに新人さんが入ってきたそう。

「茉奈ちゃん(仮名)という24歳の子で、昼間は派遣社員をしていると言っていました。お店の前に貼ってあるバイト募集の貼り紙を見て電話してきたそうです。隣の駅に住んでいて歩いて帰れるということですぐ採用になりました」

そして咲子さんはマスター(48歳)に「茉奈ちゃんは地味な印象だし口下手だから、もっと垢抜けて明るくなるように指導してよ」と頼まれてしまいました。

「私は水商売について教えてあげられることはないけど、お客さんやマスターやボーイのヒロくん(仮名・29歳)から『歳よりすごく若く見える』とよく褒めてもらって最近自信がついてきていました。なので仕事中に着るワンピースを貸してあげたりヘアスタイルやメイクなどのアドバイスをしたりして、茉奈ちゃんがもっと華やかになるように協力しようと思ったんです」

茉奈ちゃんは真面目な性格で、マスターや咲子さんの言ったことをメモに書き留めて一生懸命に覚えようとしているようでしたが、なぜかとてもミスが多かったそう。

◆「何もできないし可愛げもない」陰口を本人に聞かれて……

「いつもテンパっているような雰囲気で動作が雑なせいだと思うのですが、お皿やグラスを割ったり、常連さんの名前を間違えて不機嫌にさせてしまったり、チャーム(※簡単なおつまみのこと)のお菓子を買ってきてとお使いを頼んだらチョコパイとパイの実を大量に買ってきて『そんなんで酒が進むわけないだろ?』と怒られたりして不憫でしたね」

そんなある日、マスターとボーイのヒロくんが咲子さんに相談をしてきた時のことです。

「茉奈ちゃんのことなんだけど、もうクビにした方がいいかな? 本当に何もできないし可愛げもないし、見た目が良いわけでもないし……」という内容だったのですが、なんとその現場を本人が目撃してしまうという事件が起きました。

◆震えながら頭を下げる彼女の姿に罪悪感

「茉奈ちゃんは震えながら涙目で『頑張って覚えますので、もう少しだけ時間を下さい』と頭を下げて……。マスターは慌てて謝っていました。私たちはなんだかいじめをしてしまったような後ろめたい気持ちになってしまい『そうだよね、まだ覚え始めたばかりだものね』と逆に茉奈ちゃんを励ますようなかたちになったんですよ」

するとその翌日、咲子さんは発熱してしまい、病院で検査を受けたらインフルエンザだったそう。

「仕方がないのでバイトを休むと連絡して安静にして過ごしました。そして1週間後に迷惑をかけたお詫びに菓子折りを持って出勤してみたら……お店の空気感がガラッと変わっていてギョッとしてしまいました」

◆たった1週間で“ひょう変”した茉奈ちゃん

なんとあのオドオドしていた茉奈ちゃんが、マスターをあごで使ってオレンジジュースを用意させながら女王のごとく振る舞っていたそうで……。

「しかも、なんかマスターが嬉しそうにしているのが気持ち悪いなと思いましたね」

すると今度はボーイのヒロくんが店内に駆け込み「茉奈ちゃん、これ頼まれたやつ買ってきたよ」と、この近くにはない某有名ハンバーガー店の袋を彼女に差し出します。茉奈さんは「もっと早く買ってこれないの? 使えねーな」と悪態をつきながらバーガーをかじりだしました。

その姿を見てニヤニヤしているヒロくんの顔を見て、咲子さんは「あ、2人とも茉奈ちゃんに“いかれちゃった”んだな」と直感。

「もうすっかり力関係が入れ替わっていて、マスターもヒロくんもすっかり茉奈ちゃんに骨抜きにされていたのでビックリしましたね。内心、もしかすると性的関係をもって手懐けられてしまったのかな……とまで勘ぐってしまいました」

◆「おいババァ、余計な口出すんじゃねーよ!」

そしてマスターとヒロくんが開店準備で席を外し、女2人きりになった瞬間……。  

「茉奈ちゃんが私を睨みつけて『おいババァ、今までお前が偉そうに押し付けてきたメイクやファッション、全部時代遅れでダセェから二度と私に余計な口出すんじゃねーよ!」と凄んできました。それがめちゃくちゃ怖かったんですよね」

ですが怖がりながらも「なんだか自信満々に私を下に見てくる茉奈ちゃんは、前よりずっと綺麗に見えるし小悪魔的な魅力があるな。これならお客さんいっぱいつくかもしれない」と思ってしまいました。

「ですがこんな妙な雰囲気になってしまったお店は居心地悪いし、茉奈ちゃんが威嚇(いかく)してくるのでビビッてしまい、私はすぐに辞めてしまいました」

◆友達は面白がってるけど、私は二度と行きたくない

その話を入院中の瑞稀さんに報告すると、前のめりになり興味津々だったそう。

「実は瑞稀ってレディコミが大好きなので『そんなことが私の身近に起きるなんて!』と大興奮でしたね(笑)。『手術の傷が落ち着いたら、スナックに様子を見に行こうよ』とテンション高めに誘われましたが、私は遠慮させてもらいたいですね」と苦笑いをする咲子さんなのでした。
<文/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop

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