妻夫木聡が語る『宝島』「ぶつかり合うからこそ、伝わるものがある」

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2025年07月18日 17:30  ORICON NEWS

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映画『宝島』全国キャラバンで北海道・を訪れた妻夫木聡、大友啓史監督
 映画『宝島』(9月19日公開)の主演と宣伝アンバサダーを務める妻夫木聡が、福岡から北海道へ日本を縦断する2日間の“超弾丸キャラバン”を敢行。移動距離は2000キロ超。そんなタイトなスケジュールの中、札幌・北海高等学校での交流会を終えた直後に話を聞いた。

【動画】映画『宝島』特報映像

 映画は、アメリカ統治下にあった戦後の沖縄で描かれる青春群像劇。米軍基地から奪った物資を住民に分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たち。そのリーダー的存在だったオン(永山瑛太)が、ある日「予定外の戦果」を手に入れたことで突然消息を絶つ。残された幼なじみたちは、グスク(妻夫木)は刑事に、ヤマコ(広瀬すず)は教師に、レイ(窪田正孝)はヤクザになり、オンの影を追いながらそれぞれの道を歩み始める。

──連日の大移動、お疲れ様です。今日は札幌で高校生たちと交流されましたね。

【妻夫木】いろんな人に思いを届けたいんですけど、なにせ時間が足りないですね。でも今回は札幌で高校生たちと話せたのが本当に良かった。10代の子たちってすごく純粋で、質問の仕方ひとつ取っても全然違う。疑問に思ったことをそのままぶつけてくれるんです。その言葉がすごく響きました。

──高校生から「印象に残っているシーン」を聞かれて、後半のグスクとレイが想いをぶつけ合うシーンを挙げていましたね。

【妻夫木】撮影で窪田くんを目の前にしたとき、台本だけでは見えなかったグスクの生きた歴史が見えた気がしたんです。刑事とヤクザで道は分かれてしまったけど、平和な世の中をつくりたい、この場所を守りたい、誰かを救いたいという目指すところは同じ。それぞれの正義があって、レイにはレイなりの正義がある。何が正しいかは分からないけど、僕たちは考えることをやめちゃいけないと思いました。

──『宝島』は沖縄の歴史を背景に描く、幼なじみたちの青春群像劇でもあります。改めて「3人の物語」という点では、どんなことを伝えたいですか?

【妻夫木】僕たちの精神的支柱だったオンちゃんがいなくなって、想いは同じなのに、生き方がそれぞれ変わってしまう瞬間がある。それが人としてすごく切ないと思うんです。お互いを理解していて、好きな部分もあるのに、素直になれない。特に後半はそれぞれの感情のぶつかり合いがしっかり描かれています。相手の気持ちがわかっているからこそのもどかしさがある。それは今の時代にも通じる部分だと思います。

──窪田さんとは7月4日に行われた大阪キャラバンでもご一緒されましたが、新たに気づいたことはありましたか?

【妻夫木】窪田くんが「このシーンはこう思ってたんだ」というのは意外と知らなくて。正義とは何かという部分も、彼なりにずっと自問自答していたことを知れたのが大きかったです。現場では演技について話し合うことはほとんどなくて、僕も自分のことを語らないタイプなんです。だから取材や舞台あいさつを通して「そうだったんだ」って知ることも多いです。

──現場では演技についてあまり話し合わないんですね。

【妻夫木】作品にもよりますが、演技って話し合ってうまくなるものじゃないし、突然生まれるものが愛おしかったりする。みんなそれぞれ考えて役作りをしてきて、現場でぶつけ合うことで生まれる何かがある。監督も役者もスタッフも、全員の想いをぶつけ合ってできたのがこの『宝島』という作品です。現場で生まれたものが、ちゃんとスクリーンに焼き付けられている。その自信を持ってこの『宝島』を届けています。



 映画『宝島』全国キャラバンは、19日に「宮城」「岩手」を訪れる予定だ。

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